「成長型中小企業等研究開発支援事業 (Go-Tech事業)」について

2025年2月17日から4月18日までを公募期間として、「成長型中小企業等研究開発支援事業 (Go-Tech事業)」の公募が開始されています。
早速、公募内容を本記事で解説していきます。
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成長型中小企業等研究開発支援事業 (Go-Tech事業)
本補助金は、中小企業のものづくり基盤技術及びサービスの高度化を通じて、イノベーションによる我が国製造業及びサービス業の国際競争力の強化を図ることを目的としています。
「通常枠」と「出資獲得枠」のどちらかで申請を行うことが出来ますが、本記事では「通常枠」について紹介します。
この補助金は大学等が申請窓口となります。中小企業者等が大学・公設試等の研究機関等と連携して行う、事業化につながる可能性の高い研究開発、試作品開発及び販路開拓への取組を最大3年間支援します。
国からの補助金を受け取る「事業管理機関(A)」を大学等が担当し、中小企業者等の事業者が「主たる研究等実施機関(X)」として事業を遂行します。国はAに補助金を支払い、AがXに事業費を支払う「間接補助」の仕組みとなっています。
高い技術力を持ち、研究者(大学教員など)と共同研究・開発・製造を既に行っている事業者にとっては、申請しやすい補助金であるといえます。
通常枠の場合は、事業総額の3分の2が補助され、補助上限額は3年度合計で最大9,750万円が補助されます。
補助の対象
以下のとおりです。
【物品費】
- 機械装置備品費
- 本事業の遂行に必要な機械装置(付随する備品を含む)及びソフトフェア並びに研究開発又は研究開発環境の整備等に必要な備品の購入・製作に要した経費。
- 土木・建設工事費
- 機械装置備品の製作・設置に付帯する電気工事等に要した経費。
- 保守・改造修理費
- 機械装置備品の保守(機能の維持管理等)、改造(主として対象となる物の価値を高め、又は耐久性を増す場合)、修繕(主として事業実施に伴う通常使用による機能劣化等を原状回復する場合)に要した経費。
- 外注費
- 本事業に必要な機械装置備品の加工やシステム構築等の外注に係る経費。
【人件費】
- 研究員費
- 事業に直接従事した研究者等の人件費。
- 管理員費
- 事業に直接従事した管理員等の人件費
- 補助員雇上費
- 研究員費及び管理員費で計上される者以外で、本事業に補助的な立場で直接従事した者の雇用に係る経費
【謝金】
委員等謝金及びアドバイザーや共同体外部の知見者から技術指導(技術流出防止を含む)を特に必要とする場合に支払われる謝金に係る経費。
【旅費】
研究員、管理員及び委員等の旅費、滞在費及び交通費。アドバイザーや共同体外部の知見者からの技術指導(技術流出防止を含む)を特に必要とする場合に支払われる旅費、滞在費及び交通費。なお、各機関の旅費規程等により算定された経費であること(海外旅費も含む。)。
【その他】
- 外注費
- 原材料等の再加工、設計、分析、試験、調査(簡単なもの)、検査等を外部(外注先の機器を使って自ら行う場合を含む。)で行う場合に外注先への支払に要する経費。
- 印刷製本費(報告書作成費)
- 研究内容報告書等の印刷・製本及び電子ファイル作成に要した経費。
- ※事業管理機関のみ計上が可能であり、研究等実施機関は計上できません。
- 運搬費
- 試作品や加工品等を共同体内で移動する場合に要する費用、共同体内から外注先への配送にかかる費用、展示会への出展等に際し必要となる運搬料等の支払に要する経費。
- クラウドサービス利用費
- 本事業の遂行に必要なクラウドサービスの利用やWebプラットフォームの利用に要した経費。
- 諸経費
- 1)技術導入費
- 知的財産権等の導入が必要となる場合に所有権者等に支払われる経費。
- 2)通訳・翻訳費
- 通訳及び翻訳を依頼する場合に支払われる経費。(海外出張における通訳も含む。)
- 3)知的財産権関連経費
- 本事業における研究開発と密接に関連し、研究開発等成果の事業化に当たり必要となる特許権等の知的財産権の取得に要する弁理士の手続代行費用や翻訳料等の経費。
- 4)マーケティング調査費(海外における展示会等事業費も含む)
- 競合技術等の動向やユーザーニーズの調査に要する経費及び調査員を雇用するための経費。
- 事業成果を発表するための展示会開催または出展に係る会場の借上げ費用、装飾費等の運営への支払に要する経費。
- 競合技術等の動向や事業成果等の発表等のために参加する学会の参加費用に要する経費。
- 事業成果の展開等に要するポスター等の作成及び広告媒体等の活用並びにそのための外部人材を雇うため等の支払に要する経費。
- 5)賃貸借費
- 機械装置備品及びソフトウェアのレンタル・リース、サブスクリプション代等。
- 1)技術導入費
申請は事業管理機関(A)がe-Radと呼ばれる研究開発管理システムを通じて電子申請で行います。大学では、科研費の申請を行う際に用いられる身近なシステムです。中小事業者による利用登録申請は不要です。
提出が必要な書類
以下のとおりです。
- 鑑文(様式1)
- 研究開発内容等説明書(様式2)
- 事業計画書(様式3)
- 経費明細内訳表(様式4)
- 事業終了から事業化までの資金計画(様式5)
- 最低賃金保証等に関する誓約書(様式6)
- 決算書等
一見、複雑な補助金に見えますが、大学の教職員にとっては馴染みのある補助金であり、申請のハードルは高くないと考えられます。技術力を強みにしている中小企業にとっては差別化を進めるチャンスといえます。
ただし、大学等はこの補助金を知らない可能性があるため、事業者から事業管理機関(A)の候補となる大学等に売り込みが必要です。
税金による補助金なので多くの制約事項・提出書類がありますが、事業拡大に資する補助金であるといえます。弊所では補助金のサポートを行っています。
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出典:中小企業庁