創業融資制度の変更に対応するためのポイント 【公認会計士・税理士が解説】

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日本政策金融公庫が提供してきた創業融資制度が廃止され、新たに「新規開業資金」が導入されました。

この変更は多くの起業家にとって重要なニュースですが、正しく理解し、効果的に活用するためには専門的な知識が必要です。

本記事では、税理士事務所の視点から、創業融資制度の変更点や、起業家が融資を受けるために押さえるべきポイントをわかりやすく解説します。

またYoutube動画でも詳しく解説していますので、ご覧ください。

創業融資制度の変更とは?

2024年4月、日本政策金融公庫の創業融資制度が廃止され、代わりに「新規開業資金」という新たな制度が設けられました。

起業家にとっては資金調達の重要な手段となる融資制度の変更ですが、しっかりと準備すれば、新しい制度でも十分に融資を受けることが可能です。

新規開業資金の特徴

新規開業資金は、創業7年以内の事業者を対象に、最大7,200万円までの融資を提供する制度です。

資金の使途としては、設備資金や運転資金に利用可能であり、自己資金が少ない場合でも融資の申請が可能となっています。

また、一定の条件を満たす場合には、低金利での融資も受けることができます。

新規開業資金の主な特徴

  • 融資限度額:最大7,200万円(運転資金は4,800万円まで)
  • 自己資金の有無:自己資金がゼロでも融資可能
  • 金利:原則2%程度、優遇措置あり(女性、35歳未満、55歳以上の起業家、無担保無保証融資など)

税理士事務所としては、この新制度を活用した資金調達のアドバイスを行うことで、顧客の円滑な創業をサポートします。

融資を受けやすい起業家とは?

融資を受けやすい起業家と、受けにくい起業家には大きな違いがあります。

税理士としては、顧客の状況に応じた適切なサポートが必要です。

融資を受けやすい起業家の特徴

1. 経験が豊富

起業する分野での経験があることは大きな強みです。

税理士は、事業計画書にこの経験を強調し、金融機関の信頼を得るためのサポートをします。

2. 十分な自己資金

自己資金が豊富にある場合、金融機関はリスクが低いと判断します。

税理士は顧客が自己資金を効率的に管理し、融資を受けやすくするための財務アドバイスを提供します。

3. 信用力が高い

過去のクレジット履歴や公共料金の支払い履歴がクリーンであることが重要です。

税理士は、信用情報を整理し、必要であれば改善策を提案します。

融資を受けにくい起業家の特徴

1. 起業分野での経験が少ない

経験がない場合は、しっかりとした事業計画が必要です。

税理士は、経験の不足をカバーするために、詳細な事業計画書の作成を支援します。

2. 自己資金が少ない

自己資金が少ない場合、税理士は適切な資金調達方法の提案や、資金繰りの改善に向けたアドバイスを行います。

3. 信用に問題がある

クレジットカードの未払い履歴や公共料金の滞納があると、金融機関の信頼を得にくくなります。

税理士は、顧客の信用力を向上させるための戦略を立てます。

融資を受けるために準備すべきこと

税理士事務所が融資申請をサポートする際に、顧客に対して行うべき準備は多岐にわたります。

ここでは、融資を受けやすくするための具体的なステップを解説します。

1. 自己資金の準備

自己資金は、融資を受けるための大きな要素です。

税理士は、顧客の財務状況を分析し、可能な範囲で自己資金を積み立てる方法を提案します。

また、節税対策を活用して資金を効率よく管理することも重要です。

2. 信用力の向上

金融機関は、信用力を非常に重視します。

税理士は、顧客の過去の信用履歴を確認し、問題があれば改善するための具体的なアドバイスを行います。

例えば、クレジットカードの支払い履歴や公共料金の支払い状況を改善することが、融資を受けやすくするための第一歩です。

3. 事業計画書の作成

具体的かつ現実的な事業計画書を作成することが、融資審査を通過するための鍵です。

税理士は、収支計画や市場分析を含めた詳細な事業計画書の作成を支援します。

特に、融資希望額に対して明確な根拠を示すことが重要です。

創業融資を受ける金融機関の選び方

融資を受ける際には、どの金融機関を選ぶかも重要なポイントです。

税理士は、顧客のビジネスモデルや資金調達の目的に応じて、最適な金融機関を提案します。

主な選択肢

1. 日本政策金融公庫

公的な機関であり、比較的審査が通りやすいのが特徴です。

特に、新たに導入された「新規開業資金」は、起業家にとって重要な選択肢となります。

2. 金融機関(信用保証協会付き融資)

信用保証協会の保証を受けることで、金融機関はリスクを低減し、創業者に対する融資を行います。

金利はやや高めですが、創業者に対する支援が手厚いのが特徴です。

3. 金融機関(プロパー融資)

信用保証協会の保証がないため、金融機関自体がリスクを負います。

そのため、審査が厳しくなりますが、金利は低めに設定されています。

税理士は、これらの選択肢から顧客に最適な金融機関を選び、融資審査の準備を整えるサポートを行います。

創業融資を成功させるための税理士のサポート

税理士は、融資申請において顧客の成功をサポートする重要な役割を果たします。

特に、事業計画の作成や財務状況の整理、融資の申請手続きにおいては、専門的な知識と経験が求められます。

当税理士事務所では、以下のようなサービスを提供し、起業家の融資申請を全面的にサポートします。

  • 事業計画書の作成支援:詳細かつ現実的な事業計画を作成し、金融機関の信頼を得るためのサポートを行います。
  • 信用力向上のためのアドバイス:顧客の信用情報を確認し、改善策を提案します。
  • 適切な金融機関の選定:顧客のニーズに応じた最適な金融機関を選定し、融資の申請を支援します。
  • 融資手続きの代行:面倒な手続きや書類の作成を代行し、スムーズな融資申請を実現します。

当税理士事務所では、創業融資の成功に向けて万全の体制でサポートいたします。

起業をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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田中将太郎 - Shotaro Tanaka

記事の筆者:田中将太郎

                       

(株)田中国際会計事務所 代表取締役
田中将太郎公認会計士事務所・税理士事務所 代表
東京都、北海道札幌市、宮城県仙台市に拠点を置き、個人事業主やスタートアップ企業から大企業までを幅広く支援。会計・税務、創業支援に加え、経営戦略コンサルティングの知見を活かした”戦略税務”や売上を伸ばすための”戦略マーケティング”に強みを持つ。
経営のための”裏ワザ”情報は、LINE、note、Youtubeでも配信中。                        
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