銀行預金だけで安心?資産を守るために知っておきたいリスクと資産運用の重要性

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1. 導入:銀行預金だけでは資産は守れない?

「銀行に預けておけば安全」という認識は、かつての常識でした。

しかし、現在の低金利時代やインフレが進行する今、銀行にただお金を預けているだけでは、資産を守るどころか目減りさせてしまうリスクがあるのです。

また、ニュースでも話題になるように、銀行の破綻やペイオフ制度のリスクを理解しておくことが重要です。

さらに、円安が続く中で外貨預金を考える方も増えていますが、こちらにも思わぬ落とし穴が潜んでいます。

そこで、今回の記事では、銀行預金のリスクを詳しく解説し、今後どのように資産を守り、増やしていくべきか、その方法について具体的なアドバイスを提供します。

2. 銀行預金の現状:お金が増えないどころか減っていく?

銀行預金の最大の魅力は「安全」だと思われがちです。

しかし、低金利の現在、預金に期待できる利息は非常にわずかです。

例えば、1,000万円を銀行に1年間預けても、増える利息はたったの1,000円程度にすぎません。

このままでは、インフレによって物価が上昇した際、実際にお金で買えるものが少なくなり、お金の価値が目減りしてしまうのです。

インフレが進むと、たとえ通帳の数字が増えても、そのお金で買えるものは減少していきます。

例えば、100万円で購入できる商品が、数年後には110万円かかるかもしれません。

これは、実質的に100万円の価値が減っているということです。

銀行預金は一見安全に見えますが、インフレリスクを考慮すると、資産が実質的に減少していく可能性があるのです。

3. 銀行破綻のリスクとペイオフ制度

次に考えるべきリスクが、銀行の破綻です。

銀行が倒産することは少ないとはいえ、絶対にないわけではありません。

日本でも過去に北海道拓殖銀行や足利銀行が破綻しており、さらに2023年にはアメリカでシリコンバレー銀行が破綻しました。

銀行が破綻すると、預金は「ペイオフ」と呼ばれる制度に基づき、1つの銀行につき1,000万円までしか保証されません。

仮に1,000万円以上預けていた場合、その超過分は返ってこない可能性があります。

例えば、1億円を預けていたとしても、保証されるのは1,000万円のみ。

残りの9,000万円は銀行の破綻により失われる可能性があるのです。

このため、1つの銀行に多額の資産を集中して預けることは非常にリスクが高い行動と言えます。

資産を複数の銀行に分散して預けることで、それぞれの銀行で1,000万円までの保証を受けることができ、リスクを軽減できます。

4. 外貨預金のリスク:為替と銀行破綻に要注意

円安が続く中、外貨預金を検討する人も増えていますが、ここにも大きなリスクが潜んでいます。

外貨預金は、日本円に比べて高い金利を期待できることもありますが、ペイオフの対象外であるため、銀行が破綻した場合、外貨で預けたお金は全額失われる可能性があります。

また、外貨預金には為替リスクも伴います。

円安時にドルで預金していたとしても、将来的に円高に振れれば、その外貨の価値が大きく下がり、結果として損をすることも考えられます。

特に短期的な為替変動に一喜一憂しやすいため、外貨預金は慎重な判断が必要です。

5. 資産運用の必要性:銀行預金に頼らないために

このように、銀行預金にはさまざまなリスクが伴います。

これらのリスクに対抗するために必要なのが資産運用です。

資産運用は一見リスクが高いように思われがちですが、長期的に見ると、銀行預金に頼るよりもリターンを得やすく、資産を増やす手段となります。

5-1. インデックスファンド:市場全体に投資してリスク分散

インデックスファンドは、特定の株式市場全体に投資することでリスクを分散する金融商品です。

たとえば、アメリカのS&P500に連動するインデックスファンドに投資すれば、アメリカの主要企業500社全体に投資することになり、個別企業が倒産しても、他の企業がカバーするためリスクが軽減されます。

また、インデックスファンドは手数料が低く、初心者にも向いているため、資産運用の第一歩としておすすめです。

5-2. 国債:安全性の高い運用方法

もう一つの安全な運用方法が国債です。

国債は政府が発行する債券で、基本的に元本が保証されているため、リスクが低く、安定したリターンを得られる商品です。

特に日本国債は、政府が保証しているため、銀行預金よりも高い利回りが期待できることが多いです。

6. リスク分散で資産を守る方法

銀行預金や外貨預金に全額を預けるのではなく、複数の運用方法に資産を分けることがリスク分散の基本です。

銀行預金はあくまでも一部に留め、インデックスファンドや国債など、リスクを抑えた運用方法を取り入れることで、長期的に資産を守り、増やすことが可能です。

また、銀行に預ける場合も複数の銀行に分散して預けることで、ペイオフ制度の1000万円保証をフルに活用し、リスクを分散することができます。

現金資産を銀行預金だけに偏らせるのではなく、リスクに応じて運用のバランスを取ることが重要です。

6-1. ロボアドバイザーを活用した資産運用

最近では、初心者でも簡単に資産運用を始められる方法としてロボアドバイザーが注目されています。

ロボアドバイザーは、資産運用のプロセスを自動化し、リスク許容度に応じて最適なポートフォリオを提案・運用してくれるサービスです。

投資知識がない人でも、少額から資産運用を始められるため、忙しい人にもおすすめです。

7. まとめ

銀行預金は一見安全そうに見えますが、低金利やインフレ、さらには銀行破綻のリスクを考えると、預金だけに頼るのは非常に危険です。

外貨預金も同様に、為替リスクや破綻リスクがあるため、安易に飛びつくのは避けるべきです。

そのため、資産を守り、増やすためには資産運用の分散が重要です。

インデックスファンドや国債といった安全性の高い運用方法を取り入れることで、リスクを抑えつつ、インフレに対抗することが可能です。

さらに、ロボアドバイザーを活用することで、手軽に資産運用を始めることができるので、初心者にも安心です。

将来のために、今すぐ行動を起こし、賢く資産を管理し始めましょう。

あなたの大切な資産を守るために、少しずつでもリスクを理解し、運用を考えることが大切です。

田中将太郎 - Shotaro Tanaka

記事の筆者:田中将太郎

                       

(株)田中国際会計事務所 代表取締役
田中将太郎公認会計士事務所・税理士事務所 代表
東京都、北海道札幌市、宮城県仙台市に拠点を置き、個人事業主やスタートアップ企業から大企業までを幅広く支援。会計・税務、創業支援に加え、経営戦略コンサルティングの知見を活かした”戦略税務”や売上を伸ばすための”戦略マーケティング”に強みを持つ。
経営のための”裏ワザ”情報は、LINE、note、Youtubeでも配信中。                        
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