金融機関から融資・借入のすべて(1)【田中将太郎公認会計士・税理士事務所が監修】

今回の記事では、資金調達の方法について解説していきます。

資金調達と聞いて思い浮かぶのが、大きく分けて次の3つではないでしょうか?

①金融機関からの融資(借入)
②投資家(エンジェル投資家、ベンチャーキャピタルなど)からの出資
③国や地方自治体による助成金や補助金

今回は、この3つの中でも最も皆さんに身近な金融機関からの融資について理解を深めていきましょう。

上場企業の場合には、様々な債権者に対して債券を発行するなど、同じ負債による資金調達でも幅広くあります。

しかし、スタートアップ企業やベンチャー企業、中小企業の場合には、上場企業のように幅広い債権者から借入を行う方法は限られていますので、銀行などの金融機関からメインになります。

そこで、金融機関から融資を受ける際に、まず知っておくべきポイントをまとめていきます。

本記事は、田中将太郎公認会計士・税理士事務所の監修です。

所要時間: 3 minutes.

  1. 金融機関からの融資(借入)とは

    まずは、金融機関からの融資又は借入とは何かについて解説していきます。

  2. 金融機関からの融資の種類

    次に、銀行、地銀、信金による融資の種類の違いについて説明していきます。

金融機関からの融資(借入)とは

資金調達という言葉を聞いて、多くの人がまず思いつくのが、メガバンク、地銀や信用金庫などの金融機関からの融資を受けるという方法かと思います。

ビジネスを成長させていく中で、大きな投資や運転資金が必要になるタイミングがあります。そのような時のために、金融機関と上手く付き合い、より大きな金額をより低い金利で借りるための準備をしておくことは非常に重要です。

金融機関から融資を受ける上で、まずはどのような金融機関が存在するのかを知っておくことが非常に重要です。

金融機関には、政府系金融機関、都市銀行、地方銀行、信用金庫というようにいくつかの種類があります。そこで、各金融機関の特徴や役割について解説していきます。

日本政策金融公庫

まず、起業家が一番に考えるべき金融機関は、日本政策金融公庫ではないでしょうか。

政策金融公庫は、100%政府出資の金融機関です。主に、起業後間もない中小企業に対しても積極てkに創業融資を行っていることでも非常に特徴的です。

都市銀行、地銀や信用金庫などの民間の金融機関から融資を受けられないような事業者を資金面でサポートするために設立された政府系の金融機関であるため、事業を創業したばかりの経営者にとってもとても親しみやすい金融機関といえます。

融資制度も非常に幅広いため、自分のビジネスの資金用途に最もあった融資プランについて、窓口で相談するとよいでしょう。

都市銀行

続いて、都市銀行について解説していきます。

都市銀行は、株式会社であるため、都市銀行の株主の利益を最大化することを使命としています。
具体的には、メガバンクといわれる三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行が、この都市銀行の括りに入ると考えてください。

メガバンクの場合は、基本的には融資規模が大きい会社とお付き合いする傾向にあるので、1000万円程度の融資金額帯となるような小規模企業とはなかなか取引をしてくれない傾向にあります。返済能力の低い中小企業よりも大手企業が取引先の中心です。

そのため、会社が小規模の場合は、かなり利益が継続で確実な場合以外は、融資を受けられないと思った方が良いです。

起業したばかりの場合は、地方銀行や信用金庫との融資取引で実績を積んでいくことが必要となります。

しかし、会社を成長させていくと、いずれは都市銀行から融資してもらう必要が出てくると思います。そのような将来に備えて、都市銀行からも融資を受けられるような体制を徐々に整えていくことは大切です。

特に、都市銀行による融資のための審査は、決算書が重要となってきます。そのため、公認会計士や融資に詳しい税理士と一緒に融資を受けやすい決算書を作成していきましょう。

地方銀行

地方銀行は、社団法人全国地方銀行協会などに加盟している銀行を指します。一般的に、営業を行う範囲は、信用金庫よりも広いですが、都市銀行のように全国展開はしていません。

基本的に、それぞれの地方銀行は、それぞれが属する都道府県に強い店舗網を保有しており、地域経済の中心となっている場合が多いです。都道府県単位で事業を展開する会社にとっては、メインバンクよりも利便性が高く、融資も受けやすいです。

また、地方銀行は、信用保証協会との関係が強い傾向にあります。そのため、地方銀行から融資を受ける場合は、まずは信用保証協会の保証付き融資を提案される場合が多いです。

信用保証協会の保証がつくと保証料などがかかり、融資コストも上がりますが、まずは保証付き融資で実績を積んでいくことをオススメします。

信用金庫

信用金庫は、地方よりもより狭いエリアで活動している金融機関です。一般的には、市区町村単位で活動しているケースが多い小規模の金融機関です。

営業エリアが狭い分、地域密着度が高く、地域の中小企業や個人事業者に対して親身に融資相談をしてくれます。小規模企業の段階でもきめ細かいサービスを提供してくれるため、創業間もない時期でも担当者がしっかりと融資相談の対応をしてもらえる場合が多いです。

融資規模も数百万円単位でも対応してくれるため、少額の融資から始めたい経営者は、まずは信用金庫に相談するとよいでしょう。ただし、都市銀行や地方銀行と比べると金利が高めになる傾向があります。

金融機関からの融資の種類

都市銀行、地方銀行、信用金庫などからの融資を受ける会社で、創業時から少し時間がたってきた会社は、その融資がどのような種類の融資なのかを考える必要があります。

融資の種類としては、大きくわけて「保証協会付融資」と「プロパー融資」の二種類があります。

保証協会付融資

保証協会付融資とは、マル保とも呼ばれる融資方法です。この方法では、信用保証協会が債務者である会社の連帯保証人となり、もし会社が返済不能になった場合に、融資金額の80%を保証協会が銀行に支払います。

そのため、金融機関にとっては、会社に対する融資リスクを低くすることができるメリットがあります。それにより、創業後間もない信用力の低い会社へも融資ができるようになるので、創業企業の多くはこの保証協会付融資を受けている傾向にあります。

しかし、会社側は、信用保証協会への保証料を払わなければいけないため、会社側の金銭的な負担は大きくなります。

なお、この信用保証制度は、中小企業のための制度であるため、利用条件として、常時雇用する従業員の数や資本金についての条件があります。

プロパー融資

プロパー融資とは、保証協会の保証を受けない融資のことです。そのため、金融機関が融資リスクは高くなるため、より審査が厳しくなります。

融資を受ける会社側の借入コストは、下がる傾向にありますので、中長期的には、このプロパー融資をしてもらえるように企業努力を重ねていくとよいでしょう。

まとめ

金融機関による融資について理解が進みましたでしょうか?

金融機関の種類や金融機関による融資の種類について理解が進んだと思います。

次の記事では、「金融機関が見る決算書のポイント」を解説していきます。

田中将太郎 - Shotaro Tanaka

記事の筆者:田中将太郎(公認会計士、税理士)

田中将太郎公認会計士・税理士事務所 代表

<事務所概要>
東京および北海道札幌を拠点とする公認会計士・税理士事務所。 会社設立から税務顧問、経営戦略まで成長ステージごとに段階的に支援します。

<代表略歴>
北海道旭川市出身の公認会計士・税理士。慶応義塾大学経済学部、シカゴ大学経営大学院で経済、経営、ファイナンスを学ぶ。 公認会計士として国際監査やアドバイザリーに従事後、経営戦略コンサルタントとして大企業を中心に経営戦略やマーケティングを支援。 現在は、田中将太郎公認会計士・税理士事務所の代表(東京・北海道札幌)。


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