税理士が教える「所得控除」の基本と節税効果!税負担を減らすコツ

節税の基本となる「所得控除」。正しく活用すれば、毎年の税負担を大幅に軽減することが可能です。

今回は、所得控除の仕組みや種類、そして申告のポイントについて、初心者の方にも分かりやすく解説します。税金のプロである税理士が、節税効果を最大化するためのコツをお届けします。

またYoutube動画でも詳しく解説していますので、ご覧ください。

1. 所得控除とは?基本を押さえよう

「所得控除」とは、納税者の生活状況を考慮して課税所得を減らす制度です。収入から一定額を差し引くことで、所得税や住民税の負担を軽減することができます。

たとえば、家族構成や医療費などの状況に応じて控除額が設定されており、個々の事情が反映される仕組みになっています。これにより、家計の負担を減らしながら納税ができるという大きなメリットがあります。

2. 所得控除の種類を詳しく解説

所得控除には、全部で15種類の項目があります。それぞれの内容と適用条件を以下で詳しくご紹介します。

1. 基礎控除

すべての納税者が受けられる控除で、年間48万円が控除されます。ただし、年収が2,400万円以上の方は控除額が減額され、2,500万円を超えると適用外となります。

2. 配偶者控除

配偶者の年収が48万円以下の場合、最大で38万円が控除されます。この控除を受けるためには、扶養する配偶者が「控除対象配偶者」に該当している必要があります。

3. 配偶者特別控除

配偶者の収入が48万円を超える場合でも、一定の条件を満たせば控除が適用されます。控除額は最大38万円で、配偶者の収入が増えるにつれて減少していきます。

4. 扶養控除

扶養している家族がいる場合に適用される控除で、扶養家族の年齢や条件に応じて最大63万円まで控除されます。

5. 医療費控除

年間の医療費が所得の5%または10万円を超える場合、その超えた分が控除されます。家族全員の医療費を合算して申告することも可能です。

6. 社会保険料控除

支払った健康保険料や年金保険料が控除の対象です。給与から天引きされる社会保険料も含まれます。

7. 生命保険料控除

生命保険や個人年金保険に加入している場合、その保険料に応じて控除が受けられます。控除額は最大12万円です。

8. 地震保険料控除

地震保険に加入している場合、最大で5万円までの控除が受けられます。

9. 寡婦(寡夫)控除

配偶者と死別、または離婚して再婚していない場合に適用されます。控除額は27万円、一定条件を満たす場合には35万円です。

10. ひとり親控除

シングルマザーやシングルファザーが対象で、控除額は35万円。年収が一定以下であれば適用されます。

11. 障害者控除

納税者本人や扶養親族が障害者の場合に適用される控除です。一般障害者は27万円、特別障害者は40万円が控除されます。

12. 小規模企業共済等掛金控除

自営業者やフリーランスが、小規模企業共済や個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入している場合、掛金が全額控除されます。

13. 勤労学生控除

学生でありながら働いている人を対象とする控除で、控除額は27万円です。所得条件を満たす必要があります。

14. 雑損控除

自然災害や盗難などで損害を受けた場合に申告できる控除です。損害額が一定の条件を満たす必要があります。

15. 寄附金控除

国や地方公共団体、認定された公益団体に寄附をした場合に適用されます。「ふるさと納税」もこの控除に該当し、寄附額の大部分が税金から控除されます。

3. 所得控除を受けるための手続き

所得控除を受けるには、年末調整または確定申告が必要です。会社員であれば、年末調整で多くの控除が自動的に処理されますが、一部の控除については確定申告を行う必要があります。

確定申告が必要な控除

  • 医療費控除
  • 寄附金控除
  • 雑損控除

確定申告を行う際には、領収書や証明書を準備し、正確に記載することが大切です。特に医療費控除の場合、支払い明細の整理や記録が重要です。

4. 所得控除と税額控除の違いを知る

「所得控除」は、課税所得そのものを減らす制度ですが、「税額控除」は算出された税金額を直接減らす仕組みです。

たとえば、住宅ローン控除や配当控除は税額控除に該当します。どちらも節税効果は大きいですが、併用して利用できる場合もあるため、それぞれの特徴を理解しておきましょう。

5. 所得控除を最大限に活用するためのポイント

所得控除を賢く活用するためには、自分がどの控除の対象になるかをしっかり確認することが大切です。

特に医療費控除や寄附金控除などは見逃されがちなため、日々の支出や書類管理を徹底しましょう。

また、控除の申告や手続きに不安がある場合は、税理士に相談するのがおすすめです。専門家のサポートを受けることで、見落としなく最大限の節税が実現します。

6. まとめ:所得控除を活用して賢く節税しよう

所得控除は、生活状況に応じて税負担を軽減できる便利な制度です。15種類の控除の中から自分に該当するものを見つけ、適切に活用しましょう。

税理士事務所では、所得控除に関するアドバイスや申告手続きのサポートを行っています。

初めての方でも安心してご相談いただけますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

田中将太郎 - Shotaro Tanaka

記事の筆者:田中将太郎

                       

(株)田中国際会計事務所 代表取締役
田中将太郎公認会計士事務所・税理士事務所 代表
東京都、北海道札幌市、宮城県仙台市に拠点を置き、個人事業主やスタートアップ企業から大企業までを幅広く支援。会計・税務、創業支援に加え、経営戦略コンサルティングの知見を活かした”戦略税務”や売上を伸ばすための”戦略マーケティング”に強みを持つ。
経営のための”裏ワザ”情報は、LINE、note、Youtubeでも配信中。                        
 プロフィール詳細へ
友だち追加
                                                       

この記事をSNSでシェア・保存