税理士が教える「税務署とは?」【法人・個人事業主は要確認】

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田中将太郎公認会計士・税理士事務所です。今回は、「税務署とは?」「どこの税務署に行くべきか?」について解説します。

所要時間: 3分.

税務署に関して、次の3ステップで説明します。

  1. 税務署とは?

    税務署が対象とする税金や部門を税金全体とのつながりと合わせて解説します。

  2. 税務署の主な3つの役割

    納税者がお世話になる税務署部門は主に3つあります。それぞれについて説明していきます。

  3. どこの税務署に行くべきか?

    一番近い税務署に行けばいいわけではありません。しっかりと事前に管轄の税務署を調べる必要があります。

税務署

「税金を支払わなければいけないのは分かるけど、国税庁、税務署、市税事務所など、税金関連の組織がたくさんあり、どこに何を聞いていいか分からない…」という質問を受けることが多々あります。そこで、まず、税務署の概要を説明した上で、経営者や個人事業主がどこの税務署でどんな対応をしてもらえるかを解説します。

会社設立や個人事業主として開業した場合にも、まずは税務署に「会社設立届出書」や「開業届」、「青色申告の承認申請書」などの申請を行う必要があるので、事業を始める前にしっかりと税務署について知っておくことをオススメします。

税務署とは?

「税務署」は、税金を管理する公的機関の一つであり、「国税」を専門に取り扱う機関です。
国の財政は、財務省によって管理されていますが、国の財源は「国税」によって成り立っていることから、税務署も財務省の管轄となります。財務省の直下に租税制度を専門的に担う「国税庁」があります。その「国税庁」の管轄下には、全国に11ある「国税局」と「沖縄国税事務所」があります。なかなか複雑になってきましたね。

税務署は、国税局から指導監督を受ける下部組織として、全国に500ヵ所以上設置されているのです。

国税とは?

税務署が管轄するのが「国税」であると説明しました。それでは、「国税」とは何でしょうか?

税金は、国税と地方税に大きく分けられます。

国家が課税し国家に対して納付する国税に対して言います。具体的な国税は、以下のような税金です。

  • 所得税(1月1日から12月31日までの1年間にあった所得に対して課税される税金)
  • 法人税(事業活動によって得られた所得に対して課税される税金)
  • 消費税(商品・製品の販売やサービスの提供といった取引に対して課税される税)
  • 贈与税(個人から年間110万円を超える財産を貰った場合、貰った個人が負担する税金)
  • 相続税(相続や遺言で遺産を受け継ぐ際に、遺産総額金額が大きいと課税される税金)
  • 酒税(酒類に課せられる税金)
  • 印紙税(契約書や領収書などの文書を作成した場合に、印紙税法に基づきその文書に課税される税金)

地方税とは?

一方、地方税は、地方の行政府が課税し、納税者が行政府に対して納付する税金のことを言います。具体的には、地方税は、以下のような税金です。

<直接税>

  • 道府県民税
  • 事業税
  • 不動産取得税
  • 自動車取得税
  • 自動車税
  • 鉱区税
  • 固定資産税

<間接税>

  • 地方消費税
  • 道府県たばこ税
  • ゴルフ場利用税
  • 軽油引取税

<法定外普通税>

国税庁、国税局とは?

国税庁と国税局はともに税務署を指導管轄する組織です。それでは、国税庁と国税局はどのように違うのでしょうか?

国税庁の役割

国税庁は、税務制度を企画、立案、解釈し、国税局や税務署に実行させる機関です。具体的には次のような業務を行います。

  1. 税務行政を執行するための企画・立案や税務行政上必要な法の解釈を行う(法の解釈は、税務を執行する際に法の解釈が解釈者によって異なることを避けるために、統一した見解を示すことです。)
  2. 企画、立案、解釈した内容を国税局に伝達し指示する
  3. 国税局や税務署の事務処理の指導および監督を行う
  4. 税務行政の中央省庁として、その他の各官庁との折衝をする

国税局の役割

それでは、国税局は具体的に何をしているのでしょうか?

単に各地の税務署を束ねるだけの仕事をしているイメージを持たれている方も多いと思います。しかし、実は、納税額の大きい個人や法人に対して、税務調査などの現場業務を行う場合もあります。ドラマなどでよく出てくる”マルサ”は、「国税局査察部」の俗称であり、犯則事件についての強制調査を行っています。

また、国税局では、個人や中小法人であっても税務署の手に余るような案件について調査を行う場合があります。俗称”リョウチョウ”と呼ばれる国税局資料調査課が行う税務調査は任意調査ですが、”マルサ”に劣らない迫力があるとも言われています。

税務署の主な3つの役割

それでは、ついに税務署の役割について説明していきます。これまで説明したように、国税局が一部の大法人、大口の税滞納者などを対象とするのに対して、税務署はその他の法人や個人事業を幅広く担当しています。

確定申告の時期になると、税務署の窓口がとても込み合っていることから分かるように、納税に関して個人から法人まで丁寧に相談に乗ってくれます。

税務署は、税務署長をトップに、いくつかの部門を置いています。大規模な税務署では、国税庁長官が直接辞令を与える特別国税調査官・徴収官といった肩書の人が配属されている場合もあります。

それでは、我々納税者に関係する税務署の3つの部門について見ていきましょう。

税務署の管理運営部門とは?

税務署の管理運営部門は、2009年に発足した比較的新しい部門です。この部署は、確確定告書や各種申請書の受付、各種申告、申請用紙の交付、納税証明書の発行、国税の領収などの窓口業務を主に担当します。そのため、税務署を訪れる際には、この部門の窓口に行くことが多いのではないでしょうか。また、国税の債権管理、確定申告書の入力事務をはじめとする内部事務も同時に行っています。

課税部門とは?

次に「課税部門」について説明します。納税者の税金に関する相談を受けたり、法人の事務所や相続のあった世帯を訪問し、さまざまな裏付け調査などを行います。申告内容に誤りがないのかを確認する税務調査を行います。なお、税務署の行う税務調査は、すべて任意調査です。

「課税部門」は、税金の種類ごとにさらに次の3つの部門に分けられます。

①「個人課税部門」
個人事業者の所得税や消費税に関する相談業務、青色申告普及のための記帳指導などを行う。

②「資産課税部門」
相続税、贈与税などの申告相談、指導を行う

③「法人課税部門」
法人税や消費税(法人)、印紙税、酒税などを担当する。

徴税部門とは?

最後に「徴税部門」です。納期限までに納められなかった税金について、納付相談・納付指導を行い、それでも納付されない場合には、財産の差押えや、公売などの「強制換価手続」を行います。「納付指導」というのは「督促」を意味します。「徴税の公平性」の観点からも、税務署が「見逃がして」くれる可能性はありません。徴税部門のお世話にならないように、気を付けて納税を行っていきましょう。

どこの税務署に行くべきか?

先ほど税務署は、全国500か所以上にあると説明しました。それでは、どこの税務署に行って相談や納税を行えばよいのでしょうか?

管轄の税務署の探し方

注意しなければならないのが、距離的に一番近い税務署に行けばいいという訳ではないということです。納税者の所在地ごとに管轄の税務署が決まっていますので、国税庁のホームページで検索してどこが管轄の税務署かを把握しましょう。

国税庁の税務署検索リンクはこちら >

北海道の税務署はどこ?

それでは、参考までに北海道の税務署についてご紹介します。北海道だけで30か所も税務署があります。

税務署の名称住所管轄領域
旭川中税務署〒078-8504
旭川市宮前1条3丁目3番15号
旭川合同庁舎
旭川の一部、上川郡のうち鷹栖町
旭川東税務署〒070-0026
旭川市東6条1丁目2番15号
旭川の一部、上川郡のうち東神楽町、当麻町、比布町、愛別町、上川町、東川町、美瑛町
網走税務署〒093-0006
網走市南6条東5丁目9番地
網走市 網走郡 斜里郡
岩見沢税務署〒068-0002
岩見沢市2条東4丁目5番地の1
夕張市 岩見沢市 美唄市 三笠市 空知郡のうち南幌町 夕張郡 樺戸郡のうち月形町、浦臼町
浦河税務署〒057-0013
浦河郡浦河町大通5丁目86番4
新冠(にいかっぷ)郡 浦河郡 様似郡 幌泉郡 日高郡
江差税務署〒043-0041
檜山郡江差町字姥神町167番地1
江差地方合同庁舎
檜山郡 爾志(にし)郡 奥尻郡
小樽税務署〒047-0007
小樽市港町5番2号
小樽地方合同庁舎
小樽市
帯広税務署〒080-0015
帯広市西5条南8丁目 帯広第2地方合同庁舎
帯広市 河東郡 上川郡のうち新得町、清水町 河西郡 広尾郡 中川郡のうち幕別町
北見税務署〒090-0018
北見市青葉町3番1号
北見市 常呂(ところ)郡
釧路税務署〒085-8515
釧路市幸町10丁目3番地
釧路地方合同庁舎
釧路市 釧路郡 厚岸(あっけし)郡 川上郡 阿寒郡 白糠郡
倶知安税務署〒044-0011
虻田(あぶた)郡倶知安町南1条東3丁目1番地
倶知安地方合同庁舎
島牧郡 寿都郡 磯谷郡 虻田郡のうちニセコ町、真狩村、留寿都村、喜茂別町、京極町、倶知安町 岩内郡 古宇郡
札幌北税務署〒001-0031
札幌市北区北31条西7丁目3番1号
北区 東区 石狩市 石狩郡 
札幌中税務署〒060-0042
札幌市中央区大通西10丁目
札幌第二合同庁舎
中央区の一部
札幌西税務署
〒063-0824
札幌市西区発寒(はっさむ)4条1丁目7番1号
中央区の一部 西区 手稲区
札幌東税務署〒004-0004
札幌市厚別区厚別東4条4丁目8番8号
白石区 厚別区 江別市
札幌南税務署〒062-0051
札幌市豊平区月寒東1条5丁目3番4号
豊平区 南区 清田区 千歳市 恵庭市 北広島市
滝川税務署
〒073-0022
滝川市大町1丁目8番14号
芦別市 赤平市 滝川市 砂川市 歌志内市 空知郡のうち奈井江町、上砂川町 樺戸郡のうち新十津川町
十勝池田税務署〒083-0001
中川郡池田町字旭町1丁目8番地8
中川郡のうち池田町、豊頃町、本別町 足寄(あしょろ)郡 十勝郡
苫小牧税務署〒053-0018
苫小牧市旭町3丁目4番17号
苫小牧市 白老郡 勇払郡のうち安平町、厚真町、むかわ町 沙流(さる)郡
名寄税務署〒096-0031
名寄市西1条北1丁目11番地
士別市 名寄市 上川郡のうち和寒町、剣淵町、下川町 中川郡のうち美深町、音威子府村、中川町
根室税務署〒087-0009
根室市弥栄町1丁目18番地
根室地方合同庁舎
根室市 野付郡 標津(しべつ)郡 目梨郡 色丹郡 国後郡 択捉郡 紗那郡 蘂取郡
函館税務署〒040-0014
函館市中島町37番1号
函館市 北斗市 松前郡 上磯郡 亀田郡 茅部郡のうち鹿部町
深川税務署〒074-0004
深川市4条15番3号
深川市 雨竜郡
富良野税務署〒076-0038
富良野市桂木町3番2号
富良野市 空知郡のうち上富良野町、中富良野町、南富良野町 勇払(ゆうふつ)郡のうち占冠村
室蘭税務署〒051-0023
室蘭市入江町1番地13
室蘭地方合同庁舎
室蘭市 登別市 伊達市 虻田郡のうち豊浦町、洞爺湖町 有珠郡
紋別税務署〒094-0013
紋別市南が丘町2丁目1番44号
紋別市 紋別郡
八雲税務署〒049-3113
二海郡八雲町相生町108番地8
八雲地方合同庁舎
茅部郡のうち森町 二海郡 山越郡 瀬棚郡 久遠(くどお)郡
余市税務署〒046-0015
余市郡余市町朝日町1番地
積丹郡 古平郡 余市郡
留萌税務署〒077-0038
留萌市寿町3丁目19番地
留萌市 増毛郡 留萌郡 苫前郡
稚内税務署〒097-0001
稚内市末広5丁目6番1号
稚内地方合同庁舎
稚内市 天塩郡 宗谷郡 枝幸(えさし)郡 礼文郡 利尻郡
北海道札幌市の税務署の所在地

まとめ

いかがだったでしょうか?税務署について少しは理解が進みましたでしょうか?事業を始めると色々な申請の必要があり、何にどう手をつけてよいかわからなくなると思います。ゆっくりでよいので、1つずつ理解を深めていってください。

田中将太郎 - Shotaro Tanaka

記事の筆者:田中将太郎(公認会計士、税理士)

田中将太郎公認会計士・税理士事務所 代表

<事務所概要>
東京および北海道札幌を拠点とする公認会計士・税理士事務所。 会社設立から税務顧問、経営戦略まで成長ステージごとに段階的に支援します。

<代表略歴>
北海道旭川市出身の公認会計士・税理士。慶応義塾大学経済学部、シカゴ大学経営大学院で経済、経営、ファイナンスを学ぶ。 公認会計士として国際監査やアドバイザリーに従事後、経営戦略コンサルタントとして大企業を中心に経営戦略やマーケティングを支援。 現在は、田中将太郎公認会計士・税理士事務所の代表(東京・北海道札幌)。


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