ベンチャーファイナンス②【公認会計士・税理士が解説】田中国際会計事務所

/

ベンチャーファイナンスについての2つ目の記事です。

こんにちは。田中国際会計事務所(田中将太郎公認会計士・税理士事務所)です。

1回目の「ベンチャーファイナンス①」では、スタートアップの成長フェーズの概要とシードステージについて解説しました。

今回は、スタートアップの成長フェーズのうち、アーリーステージ以降について解説していきます。

成長フェーズによって、どのように資金調達をするかや成長に向けた投資の方向性も異なってくるため、まずはスタートアップの成長フェーズについて押さえておきましょう。

所要時間: 3分

3ステップで解説していきます。

  1. アーリーステージ

    シードステージの次のステージとなるアーリーステージについて解説します。

  2. ミドルステージ、レイターステージ

    安定した成長段階に入ったミドルステージ、レイターステージについて解説します。

  3. エグジットステージ

    投資家が利益を確定するエグジットステージについて解説します。

アーリーステージ

シードステージの「Valley of death(死の谷)」を越えて、少しずつ収益を獲得していっている「アーリーステージ」という段階について解説していきます。

顧客が増え始めてきた段階

この段階でのスタートアップは、自社のプロダクトで徐々に実績を積み上げて言っている段階と言えます。この段階では、プロダクトの方向性の大枠は固まってきており、そのプロダクトを利用する顧客もある程度増え始めてきています。

しかし、プロダクトをさらに改良しながら、さらなる顧客を獲得していくには、より多くの投資が必要となってくることが多いです。アーリーステージのスタートアップは、この投資のための資金を自前で賄うほどの収益をまだ得られていないため、シードステージと同様に、投資家からさらなる資金を調達しようとする場合が多いです。

資金調達規模が格段にアップ

シードステージが、一般的に数千万円程度の資金を調達しているのに対し、アーリーステージでは、数億円~十数億円と資金調達規模が大きくなる傾向にあります。

この段階の資金調達は、一般的に「シリーズA」、「シリーズB」と呼ばれます。ここで調達した資金を有効活用し、事業成長につなげられるスタートアップは、その後のミドルステージ、レイターステージにおける「シリーズC」以降の資金調達を行っていけることになります。

ミドルステージ、レイターステージ

アーリーステージを抜けるとミドルステージ、レイターステージに差し掛かってきます。具体的にどのタイミングで次のステージかという明確な定義はありません。

しかし、一般的には、ミドルステージ、レイターステージは、アーリーステージでブラッシュアップされたプロダクトを、市場に広く出していき、スピード感をさらに高めて顧客を獲得していくフェーズといえます。

資金調達のステージとしては、一般的には、「シリーズC」や「シリーズD」といわれる段階を指すことが多いです。

この段階としては、自力で黒字化できるくらいビジネスが固まってきていることも多いですが、競合に先駆けてスピーディーにマーケットシェアを獲得していくためには、さらなる資金調達をして、事業拡大を急ぐパターンも多いです。

エグジットステージ

ミドルステージ、レイターステージの次の段階として、スタートアップは、”エグジット”を目指していくことが多いです。

これまで投資してきた投資家は、このあたりで利益を確定させて、投資資金を回収し、リターンを得たいと考えます。

スタートアップは、このステージがいつか来ることを念頭においておく必要があります。外部の投資家の関与が大きくなればなるほど、このエグジットを強く意識させるようなプレッシャーを受けることになります。

エグジットの方法としては、主にM&AとIPOがあります。

M&A

M&Aの場合には、スタートアップを傘下におさめたい第三者の企業に対して、そのスタートアップの株式を売却していくことになります。

投資家は、このスタートアップの株式の売却により、投資資金の回収とリターンの確定を行います。

例えば、最近よくあるITスタートアップを起業して、他のIT企業に売る場合もこのM&Aに含まれます。

Google、Amazon、facebookなどの大企業は、様々なスタートアップを買収し続けることで、より大きくなりながら、最新のトレンドに沿うプロダクトを手にしていっています。

IPO

IPOとは、簡単にいうと、株式を上場させることです。株式を上場すると、そのスタートアップの株式は、市場で広く売り買いできるようになります。

日本の場合は、東証1部、東証2部、マザーズなどの市場に株式を上場させます。

投資家は、このような市場で株式を売却することで、エグジットを行っていくことになります。

まとめ

ベンチャーファイナンス①と今回のベンチャーファイナンス②の2記事で、スタートアップの成長ステージについて簡単に解説してきました。

次回以降の記事では、よりベンチャーファイナンスに踏み込んで解説していきたいと思います。

続きを読む:「ベンチャーファイナンス③」

【過去の記事】
ベンチャーファイナンス①

田中将太郎 - Shotaro Tanaka

記事の筆者:田中将太郎

                       

(株)田中国際会計事務所 代表取締役
田中将太郎公認会計士事務所・税理士事務所 代表
東京都、北海道札幌市、宮城県仙台市に拠点を置き、個人事業主やスタートアップ企業から大企業までを幅広く支援。会計・税務、創業支援に加え、経営戦略コンサルティングの知見を活かした”戦略税務”や売上を伸ばすための”戦略マーケティング”に強みを持つ。
経営のための”裏ワザ”情報は、LINE、note、Youtubeでも配信中。                        
 プロフィール詳細へ
友だち追加
                                                       

この記事をSNSでシェア・保存