所得控除とは?税理士が教える節税の基本【2024年版】

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所得控除は、個人の課税所得を減らすことで税負担を軽減するための制度です。

所得控除を正しく理解し活用することで、所得税や住民税の負担を効果的に軽減することができます。

本記事では、2024年最新情報をもとに、税理士が解説する所得控除の種類とその適用方法について詳しくご紹介します。

またYoutube動画でも詳しく解説していますので、ご覧ください。

所得控除の基本とは?

所得控除とは、納税者自身の生活状況に応じた税負担の軽減措置です。

所得税や住民税を計算する際、所得控除を適用することで課税所得を減らし、最終的に納める税額が減少します。

所得控除には、基礎控除や医療費控除、扶養控除など15種類があり、納税者の生活状況に応じて適用されます。

所得控除のメリット

所得控除を適切に活用することで、節税効果を得ることができます。

年末調整や確定申告の際に、忘れずに控除申請を行うことで、税金の過払いを防ぎ、家計の負担を軽減します。

所得控除の15種類【網羅解説】

1. 基礎控除

基礎控除は、すべての納税者に適用される控除です。

2020年の税制改正以降、所得が2,400万円以下の人には最大で48万円の控除が適用されます。

これにより、納税者は一定の所得まで税負担を軽減できます。

2. 配偶者控除

配偶者控除は、合計所得が48万円以下の配偶者を持つ納税者に適用され、控除額は最大で38万円です。

3. 配偶者特別控除

配偶者特別控除は、配偶者の所得が48万円を超える場合でも、納税者の合計所得金額が1,000万円以下であれば、最大で38万円まで控除が受けられます。

4. 扶養控除

扶養控除は、生計を一にする扶養親族がいる場合に適用され、控除額は扶養親族の年齢や状況に応じて最大63万円です。

特に、70歳以上の親族を扶養している場合、控除額が増えます。

5. 医療費控除

1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に適用されるのが医療費控除です。

支払った医療費から10万円または所得の5%を超えた額が控除対象となります。

また、セルフメディケーション税制と選択適用が可能です。

6. 社会保険料控除

納税者が支払った社会保険料(年金や健康保険)は全額控除の対象となります。

会社員の場合は給与から天引きされる社会保険料も対象で、個人事業主の場合は自分で支払う国民年金や健康保険料も控除の対象です。

7. 生命保険料控除

生命保険や個人年金、介護保険に加入している場合、支払った保険料に応じて生命保険料控除を受けられます。

控除額は最大12万円で、旧制度の契約も含めて適用されます。

8. 地震保険料控除

地震保険料控除は、地震保険に加入している場合に適用され、支払った保険料に応じて最大5万円まで控除されます。

旧長期損害保険契約の場合は、さらに15,000円の控除が受けられます。

9. 寡婦(寡夫)控除

夫や妻を失った後、再婚せず生計を立てている場合に適用されるのが寡婦(寡夫)控除です。

控除額は27万円で、寡婦控除は子供がいない場合でも適用されます。

10. ひとり親控除

ひとり親控除は、配偶者がおらず生計を一にする子供がいる納税者に適用され、控除額は35万円です。

所得が500万円以下であれば適用されます。

11. 障害者控除

納税者本人または配偶者、扶養親族が障害者である場合に適用されるのが障害者控除です。

控除額は一般障害者で27万円、特別障害者で40万円、同居している場合はさらに増額されます。

12. 小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除は、納税者が小規模企業共済や個人型確定拠出年金(iDeCo)などに掛金を支払っている場合に適用され、掛金の全額が控除されます。

13. 勤労学生控除

勤労学生控除は、学生が一定の要件を満たして働いている場合に適用され、27万円の控除が受けられます。所得が一定額を超えないことが条件です。

14. 雑損控除

雑損控除は、自然災害や盗難、横領などによる損害が発生した場合に適用されます。

損害額が所得の10%を超える場合に控除され、特定の災害の場合には特例措置もあります。

15. 寄附金控除

寄附金控除は、国や地方自治体、特定の公益法人への寄附を行った場合に適用されます。

特にふるさと納税が該当し、寄附額の大部分が税金から控除されます。

控除額は寄附金額に応じて計算されます。

所得控除の申告方法

所得控除を受けるためには、年末調整または確定申告で申告する必要があります。

特に、医療費控除や寄附金控除は年末調整では対応できないため、確定申告が必要です。

まとめ

所得控除は、納税者の生活状況に応じて税負担を軽減するための制度です。

基礎控除や扶養控除、医療費控除など、正しく理解して活用することで、効果的に節税が可能です。

税理士のアドバイスを受けながら、年末調整や確定申告で適切に申告を行いましょう。

税金に関するご相談は、ぜひ当事務所にお問い合わせください。

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田中将太郎 - Shotaro Tanaka

記事の筆者:田中将太郎

                       

(株)田中国際会計事務所 代表取締役
田中将太郎公認会計士事務所・税理士事務所 代表
東京都、北海道札幌市、宮城県仙台市に拠点を置き、個人事業主やスタートアップ企業から大企業までを幅広く支援。会計・税務、創業支援に加え、経営戦略コンサルティングの知見を活かした”戦略税務”や売上を伸ばすための”戦略マーケティング”に強みを持つ。
経営のための”裏ワザ”情報は、LINE、note、Youtubeでも配信中。                        
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