インボイス制度とは何か?【田中将太郎公認会計士・税理士事務所が解説】

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新しい消費税に関する制度である「インボイス制度」について解説していきます。

これまで免税事業者としてのメリットを享受してきた事業者は多かったですが、このインボイス制度が始まるとほとんど免税事業者であるメリットがなくなります。

むしろ、免税事業者でなく、課税事業者を選択した方が、税務上はお得である可能性が高くなってきます。

そこで今回は、このインボイス制度の概要を説明してきたいと思います。

所要時間: 3分

インボイス制度の概要について次の3ステップで解説してきます。

  1. インボイス制度とは?

    まずはインボイス制度とは何かを解説します。

  2. インボイス制度において満たすべき要件

    次に、インボイス制度を適用するにあたっての要件を解説します。

  3. 適格請求書(インボイス)を発行するためには

    最後にどのような事業者がインボイス(適格請求書)を発行できるかを説明します。

インボイス制度とは?

通称「インボイス制度」といわれる新しい制度の正式名称は、「適格請求書等保存方式」です。

インボイスとは

ここでいう「インボイス」とは、漢字で書くと「適格請求書」になります。
この「適格請求書」が何かというと、国税庁では、「売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるもの」と定義されています。

参考:国税庁「インボイス制度の概要

これだけ聞くと難しそうに聞こえますが、それほど複雑なものではないのでご安心ください。

簡単にいうと、請求書に、「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」などを記載してあるものです。

売い手側と買い手側の要件

このインボイス制度では、売り手側と書いて側はそれぞれ求められる条件があります。

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キリン

まず、売り手側がどのような要件を求められるか見てみましょう。

売り手側は、基本的に本インボイス制度における登録事業者となります。この登録事業者は、買い手である取引先から要求された場合には、インボイスを交付する義務を負います。さらに、交付したインボイスの写しを保存しておかなければなりません。

giraffe
キリン

次に、買い手側についても見ていきましょう。

買い手側が、課税事業者である場合は、仕入税額控除の適用を受けようとします。

この仕入税額控除を受けるためには、原則として、売り手側である登録事業者から要件を満たしたインボイスの交付を受け、そのインボイスを保存する必要があります。

このインボイスには、インボイス制度で求められる事項が、しっかりと記載している必要があります。

インボイス制度において満たすべき要件

それでは、どのような要件を満たせばよいのかを見ていきましょう。

これまでのインボイスの基本的な記載事項

では、インボイス制度が求める「適格な請求書」とはどのようなものでしょうか?

簡単にいうと、現在義務付けられている「区分記載請求書」に対して、「インボイス制度の登録番号」「適用税率」「消費税等の額」の3項目を追加した請求書をいいます。

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パンダ

消費税率が10%に改正された平成30年10月1日から請求書に「区分記載」の要件が追加されています。

従来の「請求書等」の記載事項は次の4つです。

1.発行者の氏名又は名称
2.取引年月日
3.取引内容
4.受領者の氏名又は名称

軽減税率についての記載

軽減税率の導入により以下の「区分記載」が必要となっています。

5.軽減税率の対象である旨の表記
(※マークなど、商品に軽減税率が適用されていることがわかる印をつけること)

6.適用税率ごとに区分した合計額
(10%適用商品の合計額と8%適用商品の合計額を区分すること)

新たにインボイス制度で求められる項目とは

「インボイス制度」の導入により、さらに3つの記載事項が追加されます。

7.インボイス制度の登録番号
8.適用税率
9.適用税率ごとの消費税額の合計

これまで必要だった基本事項(1~4)に加え、近年、軽減税率が加わったことで5,6の事項も必要になっていました。
インボイス制度では、さらに3つ加わって、9項目の記載をすべて含む必要があります。

panda
パンダ

なかなか大変そうですね…

すべてを満たすことで新たなインボイス制度におけるインボイス(適格請求書)を発行することができます。

適格請求書(インボイス)を発行するためには

このインボイス(適格請求書)を発行するためには、これまで話してきた要件の記載を備えることに加えて、発行者が、消費税の課税事業者である必要があります。

消費税の課税事業者とは

課税事業者とは、消費税が課税される事業者をいいます。

課税事業者でない場合は、免税事業者となります。消費税では、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者は、その課税期間における課税資産の譲渡等について、納税義務が免除されます。

インボイス制度の開始日

インボイス制度は2023年10月1日から開始します。

その時までに、売り手側は「適格請求書発行事業者」となっている必要があります。そうでないと、インボイス(適格請求書)を発行できません。早めに登録申請書を提出しましょう。

まとめ

インボイス制度の概要を解説してきましたが、理解が深まりましたでしょうか。

インボイス制度を含む会計、税務のサポートを田中国際会計事務所(田中将太郎公認会計士・税理士事務所)にご依頼頂ける方は、こちらまでお問い合わせください。

田中将太郎 - Shotaro Tanaka

記事の筆者:田中将太郎

                       

(株)田中国際会計事務所 代表取締役
田中将太郎公認会計士事務所・税理士事務所 代表
東京都、北海道札幌市、宮城県仙台市に拠点を置き、個人事業主やスタートアップ企業から大企業までを幅広く支援。会計・税務、創業支援に加え、経営戦略コンサルティングの知見を活かした”戦略税務”や売上を伸ばすための”戦略マーケティング”に強みを持つ。
経営のための”裏ワザ”情報は、LINE、note、Youtubeでも配信中。                        
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