仮想通貨の確定申告①【田中将太郎公認会計士・税理士事務所が解説】
最近は仮想通貨の売買を行われる方も増えてきています。そこで、仮想通貨の売買を行う方向けに、仮想通貨の確定申告について、何回かに分けて解説していきたいと思います。
今回は、仮想通貨の申告に関する第1回目です。
所要時間: 3分
3ステップで仮想通貨の確定申告の基礎について説明してきます。
- 仮想通貨の確定申告は難しい?
まずは仮想通貨の確定申告の難易度について解説します。
- 仮想通貨の確定申告をする方法は?
次に、仮想通貨の確定申告をするにはどうすればよいかを解説します。
- 仮想通貨の売買による利益計算の方法は?
そして、仮想通貨の確定申告のカギである利益計算の方法を解説します。
仮想通貨の確定申告は難しい?
仮想通貨の確定申告が難しいのは、取引の方法が多岐にわたるからです。そのため、まずは、仮想通貨にはどのような取引があり、それぞれについて原則的にどのように損益計算を行えばよいかを解説していきます。
仮想通貨の取引の種類が多い
まずは仮想通貨にはどのような取引があるかを考えていきましょう。ざっと思いつきベースでリストアップしてみても以下のようにたくさんの取引の種類があります。
仮想通貨の確定申告を行うことに抵抗感をもつ税理士が多いようですが、このように多様なパターンの取引があることが大きな要因の1つでしょう。
- 仮想通貨を購入して売却の場合
- 仮想通貨による物品購入の場合
- 暗号資産同士の交換の場合
- 外貨での暗号資産の売買の場合
- 暗号資産証拠金取引の場合
- 暗号資産信用取引の場合
- ハードフォークの場合
- ICOの場合
- マイニングの場合
- ステーキングの場合
- レンディングの場合
取得原価の計算が難しい
仮想通貨の確定申告が難しいもう1つの要因は、取得原価の計算が難しい点があります。その理由としては、
- 取引所のシステムから取得原価の履歴をみることができない
- 相対取引で購入した
- 取引所自体がなくなってしまった
- ドル建てなどの外国通貨建てで購入した
- …
などの論点があるからです。
どの段階の利益を確定申告すればよいかわからない
仮想通貨の売買で利益が出た場合に、どの利益までを確定申告してよいかわからないというのも仮想通貨の確定申告のハードルを上げています。
仮想通貨の利益といっても色々な定義があります。
- 仮想通貨を購入した後に値上がりして含み益がでている
- 利益確定はしたが、売却額(日本円)がウォレット内にある
- 利益確定をしたが、ウォレット内には日本円はなく、米ドルなどの外国通貨がある
- 確定した利益が銀行預金にある
- 値上がりしたある仮想通貨を使って、別の通貨を購入した
など、仮想通貨が出た時に利益を計上できそうなタイミングは色々ありますが、どの段階でいくら利益を計上してよいのか判断するのは非常に難しいですね。
この点も一般の方が自分で仮想通貨の確定申告を行うのを難しくしています。
仮想通貨の確定申告をする方法は?
仮想通貨の確定申告を行う方法として、自分で行うか、専門家に頼んで行うかの2パターンがあります。
仮想通貨の確定申告を自分で行う場合
ある程度、仮想通貨による利益計算が頭に入っている人は、自分で確定申告を行うことができます。
仮想通貨の利益計算はハードルが高いですが、国税庁が指針や計算シートを公表しているので、自分で計算する場合は、まずは国税庁の指針や計算シートを確認されることをオススメします。
◆国税庁ホームページ「暗号資産に関する税務上の取扱い及び計算書について(令和3年6月)」
以下は、国税庁が公表している仮想通貨の利益を計算するEXCELシートです。
暗号資産の計算書(移動平均法用)(EXCEL/253KB)
暗号資産の計算書(総平均法用)(EXCEL/246KB)
専門家に依頼する場合
仮想通貨による確定申告を依頼する場合は、基本的には税理士に依頼することになります。
しかし、仮想通貨の申告は、比較的新しい税務上の論点が多く、仮想通貨の取引自体をある程度理解しておく必要があるため、すべての税理士が対応できるというわけではありません。仮想通貨の確定申告については断る税理士事務所も多いです。
できるだけ有利に確定申告を行うためにも仮想通貨に関する知見がある税理士事務所を選択されることをオススメします。
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仮想通貨の売買による利益計算の方法は?
仮想通貨の利益計算を行う方法について、具体的に解説していきたいと思います。
前述したように仮想通貨には取引には異なる色々なパターンがあるので、そのパターンごとに解説していくことにします。
↓次回の記事