「地方創生プレミアムインバウンドツアー集中展開事業」について

国土交通省 観光庁のHPが更新され、「地方創生プレミアムインバウンドツアー集中展開事業」の公募が始まりました。

早速、公募内容を本記事で解説していきます。

弊社へのお問い合わせは、こちらまで。

地方創生プレミアムインバウンドツアー集中展開事業

この補助金は、自然、文化、食、スポーツ等の我が国が誇る地域の観光資源を活用し、より高単価な特別体験商品の造成から販路開拓まで一貫した支援を集中的に実施することで、地方創生の実現を目指すものです。

補助金の金額

民間事業者のほか、地方公共団体や独立行政法人等が申請できます。補助額は1,250万円からとなっています。最低事業費は1,500万円で、1,500万円の事業の場合は1,250万円が補助されます。

※1,000万円まで定額、1,000万円~8,000万円の部分については補助率2分の1

補助金の条件

この補助金は「体験商品造成要件」「販売要件」「事業成果要件」「観光庁からの指示要件」のすべての要件を満たすことが必要となります。

体験商品造成要件は、「プレミアム型」「コト消費×モノ消費型」「規制改革型」に分類されます。

事例

1. プレミアム型

  • インバウンドが多数来訪する国際スポーツ大会や地域の伝統行事等に際しての特別観覧席での観覧や特別な人物(著名なアスリート等)との交流機会、バックヤードツアー等
  • 特別な人物(人間国宝・著名なアスリート等)から直接指導を受ける等、通常では得られない体験の提供
  • 地域コミュニティの構成員だけが参加する祭礼に特別に参加できる等、唯一無二の体験の提供

2. コト消費×モノ消費型

  • 国際的に活躍する芸術家の創作現場やアートイベントの見学・交流機会と作品購入機会や地域周遊コンテンツを組み合せて提供するもの
  • 著名な伝統工芸家や職人の工房の見学・交流機会と作品購入機会を組み合せて提供するもの
  • 地域特有の食材の収穫体験・飲料等の製造現場見学等と購入機会を組み合わせたもの

3. 規制改革型

  • 通常非公開となっている文化財等の特別な公開・展示
  • 歴史的建造物等ユニークベニューにおける展示・飲食・宿泊等
  • 通常使用が制限されている国立公園等の区域を特別に活用した体験商品であるもの
  • 通常は利用者に開放されない時間帯(早朝や夜間など)に実施される特別な体験商品であるもの
  • 空港・港湾等の大型インフラ設備の特別な形での活用

販売要件

  • 本事業期間内に、造成する体験商品の性質に応じた合理的な販路を確保した上で、当該体験商品のインバウンドへの販売を行うこと
  • ターゲットに則した合理的な販路を確保するにあたって、海外の旅行会社等への販路を有しているDMC(Destination Management Company)やランドオペレーター等、ターゲットの市場ニーズ・適正価格等についてノウハウを持つ事業者を実施体制に組み込み、随時アドバイスを受ける等の工夫をすること。
  • 販売する体験商品が旅行商品に当たる場合には、旅行業法に基づき体験商品を販売できる体制を構築すること。
  • 体験商品造成に際して使用する外国語については、販売のターゲットとする地域で使用されている言語と合致させること。
  • 本事業期間後の事業継続を前提に販売・実施すること。

事業成果要件

  • 事務局が指定する統一調査項目に従い、ウェブアンケートシステム又は現場での実地調査等により事業に係る効果検証等の調査を実施すること。
  • 補助事業終了後、補助事業の成果を記載した実績報告書を別途定める書類に添えて提出すること。

観光庁からの指示要件は文字通り、観光庁からの指示について適時適切に対応すること、としています。

補助の対象と経費

以下のとおりです。いずれも「採択前の支出は認められない」と定められている点に注意してください。

①造成に係る要件を満たす体験商品造成に係る経費(人件費・旅費を含む)

  • 体験商品等の企画開発
  • 外国語ガイドの育成・確保
  • 有識者からの意見聴取
  • インバウンドに精通したランドオペレーター、DMC等による体験商品の改善
  • モニターツアーの実施とそれを踏まえた体験商品の改善
  • 体験商品の紹介、説明、案内等に関する多言語対応
  • 効果測定に必要な調査 等

②備品の購入・設備の導入に係る経費

  • 体験商品等の造成等に必要となる備品の購入や設備の導入

③プロモーションに係る経費

  • 体験商品を販売するために必要となる写真・動画の作成、ウェブサイト、パンフレット等のインバウンド向けの情報発信のためのツールの作成・翻訳
  • 一般向けの動画の撮影やインフルエンサーの招聘など、造成した体験商品の認知拡大を目的とした一般向けの広告宣伝
  • 海外商談会への出展や体験商品に関するファムトリップの実施等、造成した体験商品の販売経路の確保に関すること

申請方法

申請は電子申請で行います。作成する書類は以下のとおりです。

  • 事業計画書 様式1
  • 支出計画書 様式2
  • 事業実施スケジュール様式3
  • 事業概要 様式4
  • 連携先の同意書 様式5

補助金の審査

加点項目(審査の観点)があります。

  • 体験商品の特別性
  • 独自性 
  • 海外販路の妥当性 
  • 価格設定の妥当性 
  • 消費拡大効果 
  • 地域経済循環への貢献 
  • 次年度以降の持続可能性

公募時期は、2月6日から3月14日12:00までとなっています。

採択は4月中旬と予定されています。

税金による補助金なので多くの制約事項・提出書類がありますが、事業拡大に資する補助金であるといえます。

今から計画を練り、公募開始と同時に申請できるよう準備を進めていきましょう。弊所では事業着手前から補助金のサポートを行っていますので、お気軽にお問い合わせください。

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田中将太郎 - Shotaro Tanaka

記事の筆者:田中将太郎

                       

(株)田中国際会計事務所 代表取締役
田中将太郎公認会計士事務所・税理士事務所 代表
東京都、北海道札幌市、宮城県仙台市に拠点を置き、個人事業主やスタートアップ企業から大企業までを幅広く支援。会計・税務、創業支援に加え、経営戦略コンサルティングの知見を活かした”戦略税務”や売上を伸ばすための”戦略マーケティング”に強みを持つ。
経営のための”裏ワザ”情報は、LINE、note、Youtubeでも配信中。                        
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