記帳代行(経理代行)は役に立つのか?
経理に時間をとられたくない経営者のために記帳代行(経理代行)について解説します。「経理を外注するとお金がかかりそう…」と思っている経営者が思ったより多いので、実はかなり安くて、メリットばかりの記帳代行(経理代行)について記事でまとめておきます。
なるべく早い段階において記帳代行(経理代行)を行っておくと経営管理や資金調達に役立つので、会社設立時やスタートアップ企業にもオススメです。
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記帳代行(経理代行)について、以下の3ステップで解説をしていきます。
- 記帳代行(経理代行)とは?
まずは記帳代行(経理代行)とは何かを説明します。
- 記帳代行(経理代行)のメリット、デメリットは?
記帳代行のメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。
- 記帳代行(経理代行)は誰に頼むの?
記帳代行を依頼する場合に誰に依頼できるかの選択肢を説明します。
1.記帳代行(経理代行)とは?
記帳代行(経理代行)とは、自社の経理を外部機関に外注することを指します。日々の帳簿の記帳や決算などの経理業務を自社では行わず、外部の専門家に外注します。
領収書や会計ソフトへの入力作業といった日々面倒な作業を外注することで、自社の業務量の削減を行うともに、経理の正確性を高め、経営管理や資金調達を円滑に行えるようにします。
2.記帳代行(経理代行)のメリット、デメリットは?
記帳代行(経理代行)の具体的なメリットとデメリットをそれぞれ紹介していきます。
記帳代行(経理代行)のメリット
記帳代行(経理代行)の主なメリットは4つあります。
①ビジネスの効率化
②コスト削減
③節税対策の向上
④管理会計の向上
それぞれについて説明します。
①ビジネスの効率化
会社の最大の目的は、売上や利益を上げることです。記帳代行(経理代行)を行い会計を外注することで、営業や商品開発などに割ける時間が増えます。会計業務は、売上や利益に直結する業務ではないので、外注することで会社の資源を売上や利益を上げることに集中させることができます。
②コスト削減
記帳代行(経理代行)を依頼することで、経理にかかるコストを削減することができます。有能な経理担当者を雇った場合、最低でも月20~30万円ほどの人件費がかかります。しかし、記帳代行(経理代行)を依頼すれば、数万円/月~の手数料で済みますので、人件費を大幅に削減できます。
③節税対策の向上
経理代行(記帳代行)を依頼することで、会計の正確性が上がり、通期の利益や納税額の予測が可能となります。そのため、事前に節税対策を練っておくことができますし、記帳代行(経理代行)を依頼する税理士などから節税についてのアドバイスを受けることができます。
また、会社を経営している限り、税務調査の対象になります。税務調査が入った時に、税理士などに記帳代行(経理代行)を依頼しておけば、税務調査を乗り切るための準備を行っておけますし、実際に税務調査が入った場合に税理士などにスムーズに立ち会いをお願いすることができます。
④管理会計の向上
記帳代行(経理代行)を依頼しておけば、かならず月次決算を行ってもらうことができます。そのため、月次で経営指標を確認し、ビジネス自体の改善を図ることができます。また日々のキャッシュフローを管理するための財務管理には、経理業務が必須なので、記帳代行(経理代行)により遅滞なく経理業務が終わっていることは非常にメリットがあります。月次で財務管理を行うことができるようになれば、急な資金調達が必要になった時でもすぐに資金繰り表を作成し、銀行などとの交渉に入れます。
記帳代行(経理代行)のデメリット
記帳代行(経理代行)のデメリットは、自社内に経理担当がいないため、経理データをすぐに閲覧できず、経理内容の把握に時間がかかる可能性があることです。また、経理を依頼する際に、レシートの郵送や訪問が必要だったりと手間がかかる場合もあります。
しかし、最近主流となりつつある「クラウド会計システム」を活用すれば、経営者と税理士などとの間でリアルタイムで会計データを共有できるので、外注したとしても、すぐに経理内容を把握することができます。
また、クラウド会計システムの場合は、レシートのやり取りやデータの受け渡しは、クラウドを通じてオンライン上でできますので、郵送や訪問といった無駄な手間を一切省けます。
そのため、最近は、従来の記帳代行(経理代行)のデメリットは解消されつつあると言えます。
3.記帳代行(経理代行)は誰に頼むの?
それでは、記帳代行(経理代行)を依頼する場合、どこに依頼すればよいのでしょうか?主要な依頼先として選択肢は3つあります。
①記帳代行(経理代行)を専門とする記帳代行会社
②税理士事務所
③公認会計士事務所
どこに頼んでもコストに大きな差はなく、月間で1万円~数万円の範囲でお願いできます。そう言われても、どこに頼んで良いか検討もつかないと思うので、それぞれについてコメントしておきます。
①記帳代行(経理代行)を専門とする記帳代行会社
記帳代行会社は、記帳代行(経理代行)を専門として大規模に代行業を行っていることが多く、単価も低めの場合が多いです。スタッフの経理経験も多いので、自社で経理担当者を抱えるようも正確で良い経理を行える可能性が高いと考えられます。しかし、記帳代行会社は、スタッフが税理士免許を持っておらず、税務を扱っていない場合があるので、節税対策も行いたい場合は注意深く選んでください。
②税理士事務所
税理士事務所にお願いするのは、最も一般的な方法かと思います。税理士は税務のプロなので、記帳代行(経理代行)と一緒に基本的には、節税対策も行ってくれます。しかし、現状では、クラウド会計を取り扱っていない税理士事務所があり、記帳代行(経理代行)をお願いする場合に、レシート等の郵送が必要であったり、毎月の訪問があったりと、手間やコストがかさむ場合があるので、税理士事務所の選択の差異も注意が必要です。
関連記事:「【税理士が解説する】税理士とは何なのか」
③公認会計士事務所
公認会計士事務所は税理士事務所と比べて数が少ないので、あまり馴染みがない方が多いと思います。基本的に、公認会計士は税理士の資格も持っているので、公認会計士事務所に頼む場合も税理士事務所と同様に節税対策を行ってもらえます。
それでは、公認会計士事務所と税理士事務所に頼むのでは、何が違うの?と思われると思います。正直なところ記帳代行(経理代行)の業務に大きな違いがあるわけではありません。
強いて言えば、公認会計士は、会計のプロなので、大企業や上場会社の会計も取り扱うことができます。そのため、将来的に「上場支援も視野に入れたい」「企業買収(M&A)や事業売却にも興味がある」などのニーズがある場合は、公認会計士事務所に依頼しておくと良いかもしれません。
関連記事:「公認会計士って何??」
まとめ
いかがでしたでしょうか?記帳代行(経理代行)が思ったよりコストが低く、メリットが多いことがわかったと思います。
依頼先の選び方もなんとなくイメージがわいたと思います。その上で、自社の経理を管理してもらうには、信頼できる専門家を見つけるのが一番です。ぜひ、これを機会に記帳代行(経理代行)を検討し、専門家に話を聞いてみてください。