節税のための資本金設定【会社設立時編】

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節税のための資本金設定

会社設立をする時にまず決めなければいけないのが会社設立時の資本金です。

多くの方がこの会社設立時の資本金をいくらに設定すべきか悩むと思います。

そこで、税金のプロである税理士の立場から、節税を行うために会社設立時の資本金をいくらにすべきかを解説していきます。

本記事は、田中将太郎公認会計士・税理士事務所が監修しています。田中将太郎公認会計士・事務所は、東京、北海道などを中心に全国で多くの会社設立を支援しているプロフェッショナル集団です。会社設立や税務顧問などのご依頼は、お問い合わせフォームからお願いします。

所要時間: 3分.

本記事は、次の3ステップで構成されています。記事を読むのに約2~3分かかります。

  1. 資本金とは

    まずは、資本金とは何かを簡単に説明します。

  2. 節税上有利な資本金額

    次に、節税を行う上での資本金の設定金額の目安を説明します。

  3. 節税以外で考えるべき資本金のポイント

    節税以外で考えるべき資本金の設定のポイントを解説します。

資本金とは

資本金とは、会社を設立する際やその後において、株主となる出資者が会社に払い込む金額です。払込資本とも呼ばれます。

株式会社では、株主資本であり、合同会社では、社員の出資金を意味します。

資本金の最低金額

資本金は、新会社法の施行により、会社を設立するときの最低資本金制度が撤廃になりましたので、資本金はいくらでもかまいません。極端な話、資本金が1円でも株式会社を設立することができます。合同会社も同じく1円から設立できます。

会計上(貸借対照表上)の表示

貸借対照表(B/S)の純資産の部に記載される金額であり、事業運営を行う上での元手となる金額です。

節税上有利な資本金額

節税の観点から最も有利になるのは、資本金を1,000万円未満にした場合です。

この場合は、以下の3つの観点から優遇があります。

  1. 消費税の免税事業者となる
  2. 法人住民税の均等割が低い
  3. 法人税算定における中小企業の特例が受けられる

1.消費税の免税事業者となる

会社を運営するためには消費税を納付する必要があります。1期目および2期目については、期首の資本金が1,000万円未満の場合、消費税の納付は最大2年間免除されます。

しかし、前期の期首から6か月間の売上および人件費がともに1,000万円以上の場合は、期首の資本金が1,000万円未満であっても消費税がかかる場合があります。

一方で資本金が1,000万円以上の場合は設立初年度から課税業者として消費税を納付する義務があります。

2.法人住民税の均等割が低い

法人住民税は、会社の利益に連動して生じる法人税割と毎年固定でかかる均等割があります。

法人住民税の均等割は、会社が赤字の場合も納税義務が生じてきます。

資本金1,000万円未満の場合には、この均等割の額は、最低水準で済みます。

たとえば、東京23区や北海道札幌市の場合には、従業員が50人以下で、資本金が1,000万円未満であれば、7万円程度で済みますが、1,000万円以上になると倍額以上がかかってきます。

3.法人税算定における中小企業の特例が受けられる

中小企業の優遇が受けられるのは、資本金1億円以下の法人です。そのため、資本金を1,000万円未満としておけば、この法人税算定における中小企業の優遇措置も受けることができます。

最も大きいのが法人税率の違いでしょう。

資本金1億円超の法人の場合は、利益に対して、23.2%の法人税率が適用されますが、資本金1億円以下の法人の場合は、利益が800万円以下の部分については、法人税率が15%で済みます。

税金の差を検討すると、65.6万円(=800万円×(23.2%-15%))となりますので、会社設立の法人にとっては大きな差ですよね。

参考:国税庁ホームページ「No.5759 法人税の税率」

※資本金1億円未満のための優遇措置の詳細については、以下の関連記事をご参照ください。
関連記事:「節税のための資本金設定【会社設立後編】」

節税以外で考えるべき資本金のポイント

資本金の金額によって税制面のメリット、デメリットがあることご理解頂けたでしょうか。

それでは、最後に、節税以外の観点で、会社設立時の資本金設定において考えておくべきことを解説します。

①社会的な信頼性

資本金は、取引先や消費者がその会社の信頼性を図るための重要な指標となります。会社によっては、ホームページなどで資本金を開示していますし、資本金は登記事項ですので、世の中の人が誰でも確認することができます。

そのため、戦略的に競合企業よりも資本金を多めに設定しておき、”大手感”を出すというようなことも考えられます。

また、資金調達の際にも資本金の金額が重要になります。金融機関が融資を行う際に、資本金に関連する財務指標を確認することが多いです。

たとえば、負債比率、自己資本比率です。負債比率は、資本金を含む自己資本に対して、何倍の負債があるかを示す指標です。資本金が大きければそれだけ負債比率が低くなり、財務的に安定していると判断できます。

関連記事:「3分でわかる負債比率とは?【公認会計士・税理士が徹底解説】

②運転資金としての妥当性

会社設立時の資本金は、会社設立後の事業運営資金となる金額です。

そのため、売上による収益金が入ってくるまでは、資本金を取り崩しながら事業運営をしていく必要があります。

たとえば、商品の仕入や人件費、オフィス賃貸料などは、会社の収益が入金されるまでは、資本金を原資として支払っていきます。そのため、会社の運転資金として十分な金額を資本金として設定しておく必要があります。

そうは言ってもどれくらいを目安にすれば良いかをよく聞かれます。ビジネスモデルや業態によりますが、大体会社の運営コストの3~6カ月分は資本金として設定しておくと良いでしょう。

なお、以下の関連記事では、世の中の会社が資本金をどれくらいに設定しているのかを分析していますので、興味があればご覧ください。

関連記事:「数字で見る会社設立【会社設立数編】株式会社と合同会社を公認会計士・税理士が徹底比較

まとめ

いかがでしょうか?資本金について理解が進みましたでしょうか。そのほかにも資本金に関する記事がありますので、いくつか確認して、さらに知識を高めていってください。

関連記事:「3分でわかる資本金とは【公認会計士が徹底解説】

田中将太郎 - Shotaro Tanaka

記事の筆者:田中将太郎(公認会計士、税理士)

田中将太郎公認会計士・税理士事務所 代表

<事務所概要>
東京および北海道札幌を拠点とする公認会計士・税理士事務所。 会社設立から税務顧問、経営戦略まで成長ステージごとに段階的に支援します。

<代表略歴>
北海道旭川市出身の公認会計士・税理士。慶応義塾大学経済学部、シカゴ大学経営大学院で経済、経営、ファイナンスを学ぶ。 公認会計士として国際監査やアドバイザリーに従事後、経営戦略コンサルタントとして大企業を中心に経営戦略やマーケティングを支援。 現在は、田中将太郎公認会計士・税理士事務所の代表(東京・北海道札幌)。


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