仮想通貨の確定申告④「仮想通貨はどのような所得になる?」【田中将太郎公認会計士・税理士事務所(田中国際会計事務所)監修】

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仮想通貨の確定申告に関する記事【第4弾】です。

仮想通貨の確定申告に関する記事【第4弾】です。

前回は、仮想通貨で確定申告が必要となる場合について解説しました。

今回は、仮想通貨の確定申告をする際に、どのような所得になるのかを解説してきます。

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所要時間: 3分.

次の3ステップで解説していきます。

  1. 仮想通貨の利益は、「雑所得」

    仮想通貨の所得が雑所得に該当することを解説します。

  2. 雑所得の計算方法は?

    雑所得の税率の計算は、雑所得の中の分類によって異なることを解説します。

  3. 仮想通貨の税率の計算方法は?

    仮想通貨の税率がどのように計算されて、どれくらい高い税率になり得るのかを説明します。

仮想通貨の利益は、「雑所得」

個人で仮想通貨を売買して利益が出た場合は、その利益は、基本的に「雑所得」として分類されます。

(参考)国税庁HP「暗号資産に関する税務上の取扱いについて(情報)

雑所得とは?

個人の所得として給料所得や不動産所得、事業所得など様々ありますが、いずれの所得にもあたらない所得をまとめて「雑所得」に括られます。

仮想通貨は、新しく出てきた取引であるため、「雑所得」となっています。投資の性格が強いので、株式の譲渡などの所得となる「譲渡所得」や株式配当を受け取った際の「配当所得」にあたりそうですが、仮想通貨の利益は「雑所得」にあたるので気を付けましょう。

ちなみに、仮想通貨の取引には、以下のように様々なものがありますが、いずれの取引から生じた利益も「雑所得」に該当します。

<仮想通貨の取引例>
①仮想通貨を購入して売却
②仮想通貨による物品購入
③暗号資産同士の交換
④外貨での暗号資産の売買
⑤暗号資産証拠金取引
⑥暗号資産信用取引
⑦ハードフォーク
⑧ICO
⑨マイニング
⑩ステーキング
⑪レンディング
⑫NFTの売買

雑所得の区分

雑所得とは、上記利子所得から一時所得までの所得のいずれにも該当しない所得をいいます。

国税庁の定義では、例えば次に掲げるようなものに係る所得が該当するとされています。

(1)公的年金等
(2)非営業用貸金の利子
(3)副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)

FXも雑所得

仮想通貨の取引に性質が似ているFX取引(外国為替証拠金取引)も実は雑所得に該当します。そう考えると仮想通貨の取引も「雑所得」に該当するのは納得感がありますね。

参考:国税庁「No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係

参考:国税庁「No.1522 先物取引に係る雑所得等の課税の特例

雑所得以外の所得は?

「雑所得」以外の所得として、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得があります。

これらの所得は、国税庁がしっかりと定義を発表していますので、確認してみてください。

参考:国税庁「No.1300 所得の区分のあらまし

利子所得

利子所得とは、預貯金や公社債の利子ならびに合同運用信託、公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る所得をいいます。

配当所得

配当所得とは、株主や出資者が法人から受ける配当や、投資信託(公社債投資信託および公募公社債等運用投資信託以外のもの)および特定受益証券発行信託の収益の分配などに係る所得をいいます。

不動産所得

不動産所得とは、土地や建物などの不動産、借地権など不動産の上に存する権利、船舶や航空機の貸付け(地上権または永小作権の設定その他他人に不動産等を使用させることを含みます。)による所得(事業所得または譲渡所得に該当するものを除きます。)をいいます。

事業所得

事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業から生ずる所得をいいます。

ただし、不動産の貸付けや山林の譲渡による所得は、原則として不動産所得や山林所得になります。

給与所得

給与所得とは、勤務先から受ける給料、賞与などの所得をいいます。

退職所得

退職所得とは、退職により勤務先から受ける退職手当や厚生年金基金等の加入員の退職に基因して支払われる厚生年金保険法に基づく一時金などの所得をいいます。

山林所得

山林所得とは、山林を伐採して譲渡したり、立木のままで譲渡することによって生ずる所得を いいます。

ただし、山林を取得してから5年以内に伐採または譲渡した場合には、山林所得ではなく、 事業所得または雑所得になります。

譲渡所得

譲渡所得とは、土地、建物、ゴルフ会員権などの資産を譲渡することによって生ずる所得、建物などの所有を目的とする地上権などの設定による所得で一定のものをいいます。

ただし、事業用の商品などの棚卸資産、山林、減価償却資産のうち一定のものなどを譲渡することによって生ずる所得は、譲渡所得となりません。

一時所得

一時所得とは、上記利子所得から譲渡所得までのいずれの所得にも該当しないもので、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外のものであって、労務その他の役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。

例えば次に掲げるようなものに係る所得が該当します。

(1)懸賞や福引の賞金品、競馬や競輪の払戻金

(2)生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金

(3)法人から贈与された金品

(注)これらの所得でも一時所得に該当しない場合があります。詳しくは、コード1490(一時所得)を参照してください。

雑所得の計算方法は?

「雑所得」の計算方法は、大きくわけて2つあります。「総合課税」と「申告分離課税」です。

簡単な違いをいうと、税率の計算の仕方が異なります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

総合課税とは

まず「総合課税」とは、何かを見ていきます。雑所得の総合課税の場合は、雑所得に分類される金額と給与所得などの他の所得の金額を合計した上で、その合計額に基づいて、所得税率を決定します。

所得税は累進課税なので、この合計の所得が大きければ大きいほど、税率が高くなります。どれくらい所得税率が異なるかというと、所得の大きさに応じて5%から45%までの7段階で分かれています。

5%と45%では恐ろしいほど税率が違うのがわかると思います。

なお、住民税は一律10%なので安心してください。

申告分離課税とは

申告分離課税とは、総合課税と異なり、税率を計算する際に、雑所得の金額と他の所得金額を合計しません。

つまり、申告分離課税となる所得の内容は、国税庁が別途定義しており、その要件に当てはまる所得は、申告分離課税となります。

参考:国税庁「No.2240 申告分離課税制度

FXは、雑所得のうち申告分離課税

同じ雑所得であるFX取引(外国為替証拠金取引)の収入は、この「申告分離課税」の対象です。税率は所得金額に関わらず個人の場合は一律20.315%、店頭取引(相対取引)や取引所取引の場合の場合20%です。

総合課税の場合は、たくさん儲けると税率が45%になってしますので、たくさんFXで儲ける人にとっては、非常にありがたい制度ですね。

仮想通貨の税率の計算方法は?

仮想通貨は、雑所得のうち、「総合課税」となります。

そのため、仮想通貨で出た所得と他の所得を合算して、税率を計算するため、非常に高い税率が適用される可能性が高いです。

また仮想通貨で大きな利益を上げる人は、税率が所得税だけで45%に達するので、非常に大きな税金を支払う必要があります。

この点を理解して仮想通貨の取引を行わないと税金の支払いに非常に苦しむことになるので、注意してください。

まとめ

今回の記事「仮想通貨の確定申告④」では、仮想通貨が「雑所得」に該当することを解説しました。

さらに「総合課税」と「申告分離課税」のうち、「総合課税」に分類されるため、仮想通貨で大きな利益を上げた場合には、所得税だけで45%の税率が課せられることがわかったと思います。

次回の「仮想通貨の確定申告⑤」では、具体的に仮想通貨の所得をどのように計算するかを解説していきます。

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参考:過去の記事
仮想通貨の確定申告①
仮想通貨の確定申告②
仮想通貨の確定申告③

田中将太郎 - Shotaro Tanaka

記事の筆者:田中将太郎(公認会計士、税理士)

田中将太郎公認会計士・税理士事務所 代表

<事務所概要>
東京および北海道札幌を拠点とする公認会計士・税理士事務所。 会社設立から税務顧問、経営戦略まで成長ステージごとに段階的に支援します。

<代表略歴>
北海道旭川市出身の公認会計士・税理士。慶応義塾大学経済学部、シカゴ大学経営大学院で経済、経営、ファイナンスを学ぶ。 公認会計士として国際監査やアドバイザリーに従事後、経営戦略コンサルタントとして大企業を中心に経営戦略やマーケティングを支援。 現在は、田中将太郎公認会計士・税理士事務所の代表(東京・北海道札幌)。


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