年収500万円の手取りを増やす節税対策15選|サラリーマン・個人事業主別に税理士が解説【2026年最新】

「年収500万円なのに、手取りが390万円しかない——」
毎月の給与明細を見て、税金や社会保険料の多さに驚いた経験はありませんか?
実は、年収500万円のサラリーマンが支払う所得税・住民税・社会保険料の合計は約110万円にもなります。つまり、稼いだ金額の約22%が天引きされている計算です。






年収500万円でも手取りは約390万円なんですね。節税で手取りを増やす方法はありますか?











もちろんあります。僕が税理士として多くのクライアントに伝えているのは、「知っているかどうか」だけで年間数万〜数十万円の差が出るということです。この記事では、サラリーマン・個人事業主それぞれが使える節税対策を15個、具体的な金額とともに解説します。
この記事を読めば、自分が使える節税対策と、それぞれいくら手取りが増えるのかが具体的にわかります。
年収500万円の税金はいくら?(所得税・住民税・社会保険料のシミュレーション)
節税対策を考える前に、まず年収500万円の会社員がどれくらい税金・社会保険料を支払っているのかを正確に把握しましょう。
以下は、独身・扶養なし・社会保険加入のサラリーマンを想定した計算です。
ステップ1:給与所得控除を差し引く
給与所得控除は、サラリーマンの「経費」にあたるものです。年収500万円の場合、以下の計算式で求めます。
給与所得控除 = 500万円 × 20% + 44万円 = 144万円
したがって、給与所得は以下のとおりです。
給与所得 = 500万円 − 144万円 = 356万円
ステップ2:所得控除を差し引く
給与所得から、各種所得控除を差し引いて課税所得を算出します。
- 社会保険料控除:約72万円(年収の約14.4%)
- 基礎控除:48万円
課税所得 = 356万円 − 72万円 − 48万円 = 約236万円
ステップ3:所得税・住民税を計算する
課税所得236万円に対する税額は以下のとおりです。
- 所得税:236万円 × 10% − 97,500円 = 約139,500円(税率10%、控除額97,500円)
- 住民税:236万円 × 10% = 約236,000円(一律10%)
※復興特別所得税(所得税額の2.1%)を含めると、所得税は約142,400円になります。
年収500万円の税金・手取りまとめ
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年収(額面) | 5,000,000円 |
| 給与所得控除 | −1,440,000円 |
| 給与所得 | 3,560,000円 |
| 社会保険料 | −720,000円 |
| 基礎控除 | −480,000円 |
| 課税所得 | 約2,360,000円 |
| 所得税 | 約139,500円 |
| 住民税 | 約236,000円 |
| 社会保険料 | 約720,000円 |
| 天引き合計 | 約1,095,500円 |
| 手取り | 約3,905,000円 |






手取りって意外と少ないんですね…。年収の約78%しか残らないんですか。











そうなんです。でも、ここから節税対策を活用すれば、所得税・住民税を合法的に減らすことができます。社会保険料は節税では減らせませんが、所得税約14万円・住民税約24万円の部分は、控除を増やすことで圧縮できます。次から具体的な方法を見ていきましょう。
サラリーマン(会社員)ができる節税対策8選
サラリーマンは基本的に年末調整で税金が確定するため、「自分で節税できることはない」と思いがちです。しかし、年末調整や確定申告を活用すれば、会社員でもかなりの節税が可能です。
1. ふるさと納税——年収500万円なら約61,000円が上限
ふるさと納税は、最も手軽で効果が高い節税対策です。自己負担2,000円で、上限額までの寄附金が所得税・住民税から控除されます。
年収500万円(独身・扶養なし)の場合、控除上限額は約61,000円です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 寄附金額 | 61,000円 |
| 自己負担 | 2,000円 |
| 所得税からの還付 | 約5,900円 |
| 住民税からの控除 | 約53,100円 |
| 実質的な節税効果 | 59,000円分の返礼品を実質2,000円で取得 |
ポイント:
- ワンストップ特例制度を使えば確定申告不要(寄附先5自治体以内)
- 返礼品は寄附額の30%以内なので、61,000円なら約18,000円相当の品が届く
- 楽天ふるさと納税などを活用すれば、ポイント還元でさらにお得
2. iDeCo(個人型確定拠出年金)——掛金全額が所得控除
iDeCo(イデコ)は、掛金の全額が「小規模企業共済等掛金控除」として所得控除される、非常に強力な節税手段です。
会社員の場合、勤務先の企業年金制度により上限が異なります。
| 勤務先の状況 | 月額上限 | 年間上限 | 年間節税額(税率20%の場合) |
|---|---|---|---|
| 企業年金なし | 23,000円 | 276,000円 | 約55,200円 |
| 企業型DC加入 | 20,000円 | 240,000円 | 約48,000円 |
| DB・厚生年金基金加入 | 12,000円 | 144,000円 | 約28,800円 |
年収500万円で課税所得236万円の場合、所得税率10%+住民税率10%=合計20%が節税率になります。
例えば、企業年金なしの会社員が月23,000円を拠出した場合:
- 年間掛金:276,000円
- 所得税の節税:276,000円 × 10% = 27,600円
- 住民税の節税:276,000円 × 10% = 27,600円
- 合計年間節税額:55,200円
さらに、運用益も非課税で、受取時にも退職所得控除が使えるため、「節税の三冠王」と呼ばれています。




iDeCoって60歳まで引き出せないんですよね?デメリットはないんですか?











おっしゃるとおり、60歳まで原則引き出せないのが最大のデメリットです。ただし、老後資金の準備と節税を同時にできるので、僕は「余裕資金がある人には最優先で勧める制度」として位置づけています。毎月5,000円から始められるので、無理のない範囲で始めるのがおすすめです。
3. 医療費控除——年間10万円超の医療費が対象
1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が10万円を超えた場合、超えた部分が所得控除の対象になります(上限200万円)。
控除額 = 支払った医療費 − 保険金等で補填された金額 − 10万円
例えば、年間医療費が25万円(保険補填なし)の場合:
- 控除額:250,000円 − 100,000円 = 150,000円
- 所得税の節税:150,000円 × 10% = 15,000円
- 住民税の節税:150,000円 × 10% = 15,000円
- 合計節税額:30,000円
対象になる主な医療費:
- 病院の診察費・入院費
- 歯科治療費(インプラント・矯正含む)
- 処方薬の費用
- 通院のための交通費(公共交通機関)
- レーシック手術
- 不妊治療費
※家族全員の医療費を合算できます。配偶者やお子さんの分も忘れずに。
参考:国税庁|医療費控除
4. 住宅ローン控除——借入残高の0.7%を最大13年間控除
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、税額から直接差し引ける「税額控除」であり、節税効果が非常に大きい制度です。
| 入居年 | 控除率 | 控除期間 | 借入限度額(新築・認定住宅) |
|---|---|---|---|
| 2024年〜2025年 | 0.7% | 13年 | 4,500万円 |
| 2026年〜2027年(予定) | 0.7% | 13年 | 4,500万円 |
例えば、借入残高3,000万円の場合:
- 年間控除額:3,000万円 × 0.7% = 210,000円
- 13年間の控除総額:最大約273万円(残高が減少するため)
所得税から引き切れない分は、翌年の住民税からも控除されます(上限97,500円)。年収500万円の方であれば、所得税約14万円が全額ゼロになり、さらに住民税からも控除される可能性があります。
5. 生命保険料控除——最大12万円の所得控除
生命保険料控除は、3つの区分でそれぞれ最大4万円、合計最大12万円の所得控除が受けられます。
| 区分 | 対象 | 最大控除額(所得税) |
|---|---|---|
| 一般生命保険料控除 | 死亡保険・養老保険など | 40,000円 |
| 介護医療保険料控除 | 医療保険・がん保険など | 40,000円 |
| 個人年金保険料控除 | 個人年金保険 | 40,000円 |
| 合計 | 120,000円 |
3区分すべてで最大控除を受けた場合の節税額:
- 所得税:120,000円 × 10% = 12,000円
- 住民税:70,000円 × 10% = 7,000円(住民税の控除上限は各区分28,000円、合計70,000円)
- 合計節税額:約19,000円
※年末調整で申告できるため、確定申告は不要です。保険会社から届く「控除証明書」を忘れずに提出しましょう。
6. 配偶者控除・配偶者特別控除——最大38万円の所得控除
配偶者の年収に応じて、以下の所得控除が受けられます。
| 配偶者の給与収入 | 控除の種類 | 控除額(納税者の合計所得900万円以下) |
|---|---|---|
| 103万円以下 | 配偶者控除 | 380,000円 |
| 103万円超〜150万円以下 | 配偶者特別控除 | 380,000円 |
| 150万円超〜155万円以下 | 配偶者特別控除 | 360,000円 |
| 155万円超〜160万円以下 | 配偶者特別控除 | 310,000円 |
| 160万円超〜201万円以下 | 配偶者特別控除 | 段階的に減少 |
| 201万円超 | なし | 0円 |
配偶者控除38万円をフル活用した場合の節税額:
- 所得税:380,000円 × 10% = 38,000円
- 住民税:330,000円 × 10% = 33,000円
- 合計節税額:約71,000円
参考:国税庁|配偶者控除
7. 扶養控除——子どもの年齢別に控除額が変わる
16歳以上の親族を扶養している場合、扶養控除が受けられます。
| 区分 | 年齢 | 所得税の控除額 | 住民税の控除額 |
|---|---|---|---|
| 一般扶養親族 | 16歳〜18歳 | 380,000円 | 330,000円 |
| 特定扶養親族 | 19歳〜22歳 | 630,000円 | 450,000円 |
| 一般扶養親族 | 23歳〜69歳 | 380,000円 | 330,000円 |
| 老人扶養親族(同居) | 70歳以上 | 580,000円 | 450,000円 |
| 老人扶養親族(別居) | 70歳以上 | 480,000円 | 380,000円 |
例えば、大学生の子ども(20歳)がいる場合:
- 所得税:630,000円 × 10% = 63,000円
- 住民税:450,000円 × 10% = 45,000円
- 合計節税額:108,000円
※16歳未満の子どもは扶養控除の対象外ですが、児童手当の対象となります。
8. セルフメディケーション税制——OTC医薬品の購入で節税
健康診断や予防接種を受けている人が、対象のOTC医薬品を年間12,000円超購入した場合、超えた部分(上限88,000円)が所得控除になります。
医療費控除との選択適用(どちらか一方のみ)ですが、医療費が10万円に届かない年に活用できるのがメリットです。
例えば、対象医薬品を年間50,000円購入した場合:
- 控除額:50,000円 − 12,000円 = 38,000円
- 所得税の節税:38,000円 × 10% = 3,800円
- 住民税の節税:38,000円 × 10% = 3,800円
- 合計節税額:7,600円
対象医薬品には、風邪薬・胃腸薬・花粉症の薬・湿布薬などが含まれます。レシートに「セルフメディケーション税制対象」と記載されていますので確認しましょう。






サラリーマンでもこんなに節税方法があるんですね!全部使ったらどれくらいお得になるんですか?











例えば、ふるさと納税(59,000円相当の返礼品)+iDeCo(年55,200円の節税)+生命保険料控除(年19,000円の節税)を組み合わせるだけで、年間13万円以上のメリットが生まれます。使える制度は全て使い倒すのが大事です。
個人事業主・フリーランスができる節税対策7選
個人事業主やフリーランスは、サラリーマンと比べて使える節税手段が格段に多いです。その分、「知らなかった」で損をしている人も多いのが実態です。
1. 青色申告特別控除——最大65万円の所得控除
個人事業主の節税で最も基本かつ最も効果が大きいのが青色申告特別控除です。
| 申告方法 | 控除額 | 要件 |
|---|---|---|
| 白色申告 | 0円 | 特になし |
| 青色申告(簡易簿記) | 100,000円 | 青色申告承認申請書の提出 |
| 青色申告(複式簿記・紙提出) | 550,000円 | 複式簿記+貸借対照表の作成 |
| 青色申告(複式簿記・e-Tax) | 650,000円 | 複式簿記+貸借対照表+e-Tax or 電子帳簿保存 |
65万円の青色申告特別控除を受けた場合の節税効果(課税所得330万円以下の場合):
- 所得税:650,000円 × 10% = 65,000円
- 住民税:650,000円 × 10% = 65,000円
- 合計節税額:約130,000円
さらに、青色申告には以下の特典もあります:
- 青色事業専従者給与:家族への給与が全額経費
- 純損失の繰越控除:赤字を3年間繰り越せる
- 少額減価償却資産の特例:30万円未満を一括経費計上
参考:国税庁|青色申告特別控除
2. 小規模企業共済——年間最大84万円の所得控除
小規模企業共済は、個人事業主の退職金制度です。掛金は月額1,000円〜70,000円で、全額が所得控除になります。
月額70,000円(年間840,000円)を掛けた場合の節税額:
- 所得税(税率10%の場合):840,000円 × 10% = 84,000円
- 住民税:840,000円 × 10% = 84,000円
- 合計節税額:168,000円
課税所得が330万円超の方(税率20%)なら、さらに効果は大きくなります:
- 所得税:840,000円 × 20% = 168,000円
- 住民税:840,000円 × 10% = 84,000円
- 合計節税額:252,000円
受取時には退職所得控除が適用されるため、実質的な税負担はさらに軽減されます。




小規模企業共済とiDeCoはどちらが先にやるべきですか?











僕のおすすめは小規模企業共済が先です。理由は、iDeCoが60歳まで引き出せないのに対し、小規模企業共済は廃業時や65歳以上でいつでも受け取れるからです。資金の流動性を確保しつつ節税できるので、個人事業主にはまず小規模企業共済から始めてもらっています。
3. 経営セーフティ共済(倒産防止共済)——年間最大240万円を経費計上
経営セーフティ共済は、取引先の倒産に備える共済制度ですが、掛金の全額を必要経費に計上できるため、節税目的でも広く活用されています。
- 掛金:月額5,000円〜200,000円
- 年間最大:2,400,000円
- 累計上限:800万円
- 40ヶ月以上加入で解約手当金が掛金の100%
月額200,000円(年間240万円)を掛けた場合の節税額(税率20%の場合):
- 所得税:2,400,000円 × 20% = 480,000円
- 住民税:2,400,000円 × 10% = 240,000円
- 合計節税額:720,000円
注意点:解約時に解約手当金が事業収入として課税されるため、「課税の繰り延べ」の性質があります。解約のタイミング(経費が多い年や廃業年など)を計画的に決めることが重要です。
※2024年10月以降、解約後2年間は再加入しても掛金を経費計上できないルールが追加されました。
4. 事業経費の適正計上——見落としがちな経費リスト
個人事業主が計上し忘れている経費は意外と多いです。以下は、僕がクライアントの確定申告をチェックするときに「漏れ」を見つけることが多い経費項目です。
| 経費項目 | 具体例 | 年間目安 |
|---|---|---|
| 通信費 | 携帯電話、インターネット回線 | 60,000〜120,000円 |
| 研修費・書籍代 | ビジネス書、セミナー参加費 | 30,000〜100,000円 |
| 交際費 | 取引先との飲食、お中元・お歳暮 | 50,000〜200,000円 |
| 旅費交通費 | 取材旅行、視察 | 50,000〜300,000円 |
| 消耗品費 | PC周辺機器、文具、事務用品 | 30,000〜100,000円 |
| 減価償却費 | PC、カメラ、車両 | 物件による |
| 外注費 | デザイン、ライティング、プログラミング | 業務による |
| 広告宣伝費 | SNS広告、名刺、ウェブサイト制作 | 50,000〜500,000円 |
仮に年間30万円の経費漏れがあった場合:
- 所得税(10%):30,000円
- 住民税(10%):30,000円
- 合計60,000円の損をしていることになります
5. 家事按分——自宅兼事務所なら家賃・光熱費の一部を経費化
自宅で仕事をしている個人事業主は、家賃・光熱費・通信費などの一部を事業経費として計上できます。これを「家事按分」と呼びます。
| 費用 | 按分基準の例 | 按分割合の目安 |
|---|---|---|
| 家賃 | 事業使用面積 ÷ 総面積 | 30〜50% |
| 電気代 | 使用時間 or 面積按分 | 30〜40% |
| インターネット | 業務使用割合 | 50〜80% |
| 携帯電話 | 業務使用割合 | 50〜70% |
| ガソリン代 | 業務走行距離 ÷ 総走行距離 | 業務による |
例えば、家賃10万円・電気代1万円・ネット5,000円で、按分割合40%の場合:
- 月額経費:(100,000 + 10,000 + 5,000) × 40% = 46,000円
- 年間経費:552,000円
- 節税額(税率20%):552,000円 × 20% = 110,400円
6. 法人成り——所得が増えたら法人化を検討
事業所得が一定以上になると、個人のまま事業を続けるよりも法人を設立した方が税負担が軽くなるケースがあります。
| 課税所得 | 個人の所得税率 | 法人税の実効税率 |
|---|---|---|
| 330万円以下 | 10% | 約22%(資本金1億円以下・所得800万円以下) |
| 330万円超〜695万円以下 | 20% | 約22% |
| 695万円超〜900万円以下 | 23% | 約22% |
| 900万円超〜1,800万円以下 | 33% | 約34%(所得800万円超) |
| 1,800万円超〜4,000万円以下 | 40% | 約34% |
| 4,000万円超 | 45% | 約34% |
※上記は所得税のみの比較。住民税(個人10%、法人は均等割+法人住民税)や事業税も考慮する必要があります。
法人成りの目安:
- 事業所得が年間700〜800万円を超えたら検討のタイミング
- 法人にすることで、役員報酬(給与所得控除の活用)、社会保険の最適化、退職金の支給などの追加メリットも
- 一方、法人には赤字でも均等割(年約7万円)が発生し、社会保険の加入義務もあるため、総合的な判断が必要











法人成りの判断は税金だけでなく、社会保険料や法人の維持コストも含めて試算する必要があります。僕のクライアントでも「法人化したら逆にトータルコストが増えた」というケースがあるので、必ず専門家に相談してください。
7. 消費税のインボイス対策——2割特例を最大限活用
2023年10月に始まったインボイス制度により、多くのフリーランスが課税事業者への転換を迫られました。
ただし、2026年9月30日を含む課税期間までは「2割特例」が適用可能です。
| 消費税の計算方法 | 概要 | 消費税負担のイメージ(売上1,000万円の場合) |
|---|---|---|
| 本則課税 | 売上の消費税 − 仕入の消費税 | 業種による |
| 簡易課税 | 売上の消費税 × (1 − みなし仕入率) | サービス業(50%):約45万円 |
| 2割特例 | 売上の消費税 × 20% | 約18万円 |
例えば、売上500万円(税込550万円)の場合:
- 消費税額:500万円 × 10% = 50万円
- 2割特例適用:50万円 × 20% = 10万円
- 簡易課税(サービス業50%)の場合:50万円 × 50% = 25万円
- 2割特例なら15万円もお得
2割特例は2026年分の確定申告まで使える時限措置です。2027年以降は簡易課税への切り替えを検討しましょう。
節税と脱税の違い——やってはいけないNG行為
節税について解説してきましたが、「節税」と「脱税」の境界線は明確に理解しておく必要があります。
| 区分 | 定義 | 合法性 | 具体例 |
|---|---|---|---|
| 節税 | 税法の範囲内で税負担を軽減する行為 | 合法 | ふるさと納税、iDeCo、青色申告 |
| 租税回避 | 税法の想定外の方法で税負担を軽減する行為 | グレーゾーン | 過度な節税スキーム |
| 脱税 | 虚偽の申告や所得隠しで税金を免れる行為 | 違法(犯罪) | 売上の除外、架空経費の計上 |
絶対にやってはいけないNG行為3選
NG1:売上の除外・過少申告
現金売上を申告しない、副業収入を隠すといった行為は脱税です。マイナンバー制度により、副業収入や暗号資産の取引も税務署に把握されやすくなっています。
NG2:プライベート費用の経費計上
家族旅行を「視察旅行」、個人的な食事を「接待交際費」として計上するのは架空経費にあたります。税務調査で否認された場合、追徴課税の対象になります。
NG3:架空の取引先への外注費
実在しない取引先やペーパーカンパニーへの支払いを経費にするのは、最も悪質な脱税行為の一つです。重加算税の対象となり、刑事告発されるケースもあります。
脱税した場合のペナルティ
| 加算税の種類 | 税率 | 適用場面 |
|---|---|---|
| 過少申告加算税 | 10〜15% | 申告額が少なかった場合 |
| 無申告加算税 | 15〜30% | 確定申告をしなかった場合 |
| 重加算税 | 35〜40% | 仮装・隠蔽があった場合 |
| 延滞税 | 年2.4〜8.7% | 納付が遅れた場合(2026年の場合) |
例えば、100万円の所得を隠していた場合(所得税率20%):
- 本来の税額:200,000円
- 重加算税(35%):70,000円
- 延滞税(仮に3年分・年8.7%):約52,200円
- 合計:約322,200円(本来の約1.6倍)











「バレないだろう」と思って脱税する人がいますが、税務署のデータ分析は年々高度化しています。僕が伝えたいのは、合法的な節税だけで十分に税金は減らせるということ。この記事で紹介した15の方法を正しく使えば、リスクなく手取りを増やせます。
税金を安くするために今すぐできる3つのステップ
ここまで読んで「やることが多すぎて何から始めればいいかわからない」と感じた方もいるかもしれません。そこで、今すぐできる3つのステップを整理しました。
ステップ1:源泉徴収票で自分の税金を把握する
まず、直近の源泉徴収票(会社員の場合)または確定申告書の控え(個人事業主の場合)を手元に用意してください。
確認すべきポイント:
- 支払金額(年収)
- 給与所得控除後の金額(給与所得)
- 所得控除の額の合計額——ここが少ない場合、使える控除を見逃している可能性あり
- 源泉徴収税額(実際に支払った所得税)
ステップ2:使える控除をリストアップする
この記事で紹介した15の節税対策を見ながら、自分が使えるのに使っていないものをリストアップしましょう。
特に以下は「知らないだけで使えていない」人が非常に多い項目です:
- ふるさと納税(まだやっていない人が約6割)
- iDeCo・小規模企業共済(加入率はまだ低い)
- 医療費控除(家族合算を忘れている人が多い)
- セルフメディケーション税制(制度自体を知らない人が多い)
ステップ3:専門家に相談する
節税対策は自分の状況に合った組み合わせが重要です。年収・家族構成・副業の有無・将来の計画によって、最適な対策は異なります。
特に以下のような場合は、税理士への相談をおすすめします:
- 副業収入が年20万円を超えている
- 個人事業主で売上が500万円を超えている
- 法人化を検討している
- 不動産投資をしている、または検討中
- 相続対策も含めて税金全体を見直したい











僕の事務所では、個人の方の節税相談も受け付けています。「自分にはどの節税対策が合うのか」を知りたい方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
年収500万円の会社員の場合、何も対策をしなければ手取りは約390万円です。しかし、使える節税対策をフル活用すれば、年間数万〜数十万円の手取りアップが可能です。
最後に、この記事で紹介した節税対策15選を一覧にまとめます。
| No. | 対策 | 対象者 | 年間節税効果の目安 |
|---|---|---|---|
| 1 | ふるさと納税 | 会社員・個人事業主 | 返礼品約18,000円相当(実質2,000円) |
| 2 | iDeCo | 会社員・個人事業主 | 27,600〜55,200円 |
| 3 | 医療費控除 | 会社員・個人事業主 | 医療費次第(数千〜数万円) |
| 4 | 住宅ローン控除 | 会社員・個人事業主 | 最大210,000円/年 |
| 5 | 生命保険料控除 | 会社員・個人事業主 | 最大約19,000円 |
| 6 | 配偶者控除・配偶者特別控除 | 会社員・個人事業主 | 最大約71,000円 |
| 7 | 扶養控除 | 会社員・個人事業主 | 最大約108,000円(特定扶養) |
| 8 | セルフメディケーション税制 | 会社員・個人事業主 | 数千〜約17,600円 |
| 9 | 青色申告特別控除 | 個人事業主 | 最大約130,000円 |
| 10 | 小規模企業共済 | 個人事業主 | 最大168,000〜252,000円 |
| 11 | 経営セーフティ共済 | 個人事業主 | 最大720,000円(課税繰延) |
| 12 | 事業経費の適正計上 | 個人事業主 | 経費漏れ次第(数万〜数十万円) |
| 13 | 家事按分 | 個人事業主 | 数万〜約110,000円 |
| 14 | 法人成り | 個人事業主 | 所得次第(大きな効果あり) |
| 15 | 消費税の2割特例 | 個人事業主 | 数万〜数十万円 |
大切なのは「知っているかどうか」です。この記事で紹介した15の対策のうち、使えるものが1つでもあれば、今年の確定申告から実践してみてください。
節税や税金について動画でも解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。






節税対策って、知っているだけで全然違うんですね!早速ふるさと納税とiDeCoから始めてみます。











それが一番大事です。「やるか、やらないか」で年間10万円以上の差が出ます。まずは小さな一歩から始めましょう。もし「自分の場合はどうすればいい?」と迷ったら、僕に相談してください。一緒に最適な節税プランを考えましょう。
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