ベンチャーファイナンス①スタートアップの成長フェーズ【公認会計士・税理士が解説】
これから、数回にわたってベンチャーファイナンスについて解説していきます。
こんにちは。田中国際会計事務所です。
起業家にとって、ファイナンスは事業成長をさせていく上で、非常に重要な要素になるため、弊社(田中国際会計事務所)へも非常に多くのお問い合わせを頂きます。
今回は、ベンチャーファイナンスの導入として、スタートアップの成長フェーズについて解説していきます。
成長フェーズによって、どのように資金調達をするかや成長に向けた投資の方向性も異なってくるため、まずはスタートアップの成長フェーズについて、じっくりと解説していこうと思います。
シードステージ
所要時間: 3分
次の3ステップで解説してきます。
- スタートアップの始まり
スタートアップのはじまりと法人化の理由について簡単に解説していきます。
- 起業後のステージ
起業後の成長に応じたフェーズについて、全体像を解説していきます。
- シードステージ
起業後の最初のフェーズであるシードステージについて解説していきます。
スタートアップの始まり
起業家が、アイディアを思いつき、それをビジネスへと転換しようとした時が、スタートアップの始まりです。
しかし、この時点では、まだアイディアは起業家の頭の中にあり、第三者がそのアイディアを見ることもできなければ、ビジネスとしてのポテンシャルを図ることすらできません。
このアイディアを具現化するために、一般的には「会社設立」という選択肢を多くの起業家がとります。
もちろん、会社を設立しなくても、個人事業主として事業を行っていくことはできますが、多くの場合は、会社を設立し、法人として事業を行っていくことになります。
【参考記事】
税理士・公認会計士が教える「会社設立」【失敗しないためのコツを解説】
スタートアップが法人である理由
急成長を遂げるスタートアップの多くは、ベンチャー・キャピタルをはじめとする投資家や金融機関から多くの資金を調達し、その資金を事業に投資することで、飛躍的に事業を拡大していきます。
資金を調達した見返りとして、IPO(株式上場)やM&Aなどの”エグジット”を通じて投資家に対して利益を還元していきます。
このように、投資家から資金を得る代わりに株式を発行し、エグジットによって投資家に対して利益を還元していくためには、株式会社として事業を行っていく必要があります。
【参考記事】
数字で見る会社設立【会社設立数編】株式会社と合同会社を公認会計士・税理士が徹底比較
起業後のステージ
起業し、会社を設立した後のステージは、大きく4つのステージに分けることができます。
①シードステージ
②アーリーステージ
③ミドル・レイターステージ
④エグジットステージ
それぞれのステージついて、解説していきます。
シードステージ
スタートアップの最も初期のステージをシードステージといいます。
このシードステージでは、自己資金や家族、親戚、友人などの身内からの資金を活用したり、エンジェル投資家と呼ばれる個人の投資家からの資金を利用している段階です。
調達する資金の規模も比較的少額です。この段階では、一部の起業家は、インキュベーターと呼ばれる専門家に相談し、新しいビジネスの実現と成長のための経営の実務、マーケティングや資金調達、リクルーティングなどの必要なアドバイスを受けることもあります。
その他、大手企業が提供するアクセレータープログラムなどを活用して、事業をより成長させていくための準備をする起業家もいます。
このフェーズでは、限定的なリソースの中で、アイディアを事業化していくことになるため、安定した収益を見込めなかったりと非常に苦しい状況が続く場合があります。
スタートアップの業界でよく言われる「Valley of death(死の谷)」という言葉もこのフェーズで、売上が上がらず、谷を登れず、ビジネスが死んでしまうことを意味します。
アーリーステージ
アーリーステージは、いよいよ「Valley of death(死の谷)」を越えて、少しずつ収益を獲得していっている段階です。
次回の記事「ベンチャーファイナンス②」では、このアーリーステージの解説から進めていきたいと思います。
起業されて今後、ベンチャーファイナンスをしっかりと検討して事業を伸ばしていきたいという方は、お気軽に田中国際会計事務所までお問い合わせください。